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シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

作家
奥泉光
出版社
講談社
発売日
2010-07-23
ISBN
9784062163446
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シューマンの指 (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

修人を通して語られるシューマンに関する音楽論を開陳することと殺人事件と、はたしてメインプロットはどちらだったのか。あるいは、修人と物語の語り手である里橋優の相関を造型することこそがそもそもの目的であったのか。また、シューマン論は奥泉光の言説なのか、あるいは最後に掲げられた参考文献に負うのかも不明だが、いずれにしても詳細を極めるシューマン讃歌である。一方の殺人事件の方は後段に数々の工夫が凝らされているとはいえ、やはりミステリーとして見るならば杜撰さは隠せない。してみると、やはり語りたかったのはシューマンか。

2021/03/11

遥かなる想い

このミステリーがすごい!2011年度5位。音楽好きにはたまらない青春ミステリーなのだろう。ただ肝心の事件解明に入るまでの前半部があまりに長く音楽の基礎知識に乏しい私には 少し負担となった。修人の名前に意味があるとは・・

2013/01/04

エンブレムT

読了すると共に、脳内に響き渡ったのはレベルアップ時の音楽!タラララッラ~ラッラ~♪かしこさが1上がった。忍耐力が1上がった。「いや、もったいぶらずに今語れよ」の悪態を覚えた(笑)・・・ミステリーとして読むと辛い物語でした。かといってキャラ読み出来るか?といえば、そういうわけでもない。描かれている人物は記号と化し、絡み合うことで色々なフレーズを奏でていく。・・・シューマンの音楽を物語として表現したかったのかな。あるいは、シューマンに魅了された者の見ている世界を。甘美で豊かで・・・静かなる狂気を孕んだ世界を。

2012/01/11

とら

正直な所この本の半分くらいまで全然面白くなかったです。音楽には興味あるけれどクラシックで、しかも専門用語使いまくり。新参者がついていけるわけがない。でも、その駄目駄目な評価が裏返る所がありました。急に自分でも読める場面が出てくるんです。そう、殺人。ミステリだったのか!と自分の中での評価はぐんっと上がりましたwそれから、何回かのどんでん返しがあって、本屋大賞ノミネートも頷けるかなあ、というレベルまでなんとか達した。その先を描けよ!というラストだったけれど、その返事を待たない所が逆に良かったのかもしれない。

2012/03/18

ミナコ@灯れ松明の火

クラシックのライナーノーツをひたすら読んでいるような前半。シューマンに関する造詣の深さや、音楽を美しい文章で表現する豊かな文才は素直にすごい!と思った。事件が起きてからはミステリっぽくはなるものの、全てが嘘であるかのような、ものすごく不安定な空気が漂う。指の再生の謎を解いてゆくんだな、、、とまんまと勘違いして最後まで読み、ラストはえー!?でした。いろんな意味で。表紙の血痕、拭き取ろうとしてしまいましたよ・・。

2011/05/24

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