星と輝き花と咲き (100周年書き下ろし)
星と輝き花と咲き (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー
BlueBerry
これは入り込めなかった感じです。なんか温度差があって盛り上がれなかったのかな…。個人的な問題のような気もしますが(笑。
2013/11/15
新地学@児童書病発動中
傑作。あまりなじみのない女義太夫の世界が興味深く読めた。主人公の綾之助は持ち前の美貌と優れた芸によって、追っかけができるほどの芸人に成長する。当時の大学生たちが綾乃助に熱中する様子は今の若者がAKB48に夢中になる姿に似ていて面白かった。江戸から明治の移り変わりもきちんと後景で描かれていて好感が持てる。綾乃助が恋に落ちて、芸と恋の板挟みになり、苦しむ場面が一番印象的だった。
2012/09/02
星群
装丁が可愛らしくて、手に取った。フィクションだと思って読んでたけど、どうやら、モデルになった人物がいたんですね。時は、明治。お園が娘義太夫になるまでと、なってからの話。その当時の様子を垣間見ることが出来て、興味深かった。特に、書生から送られた英語混じりのラブレター。難をいえば、少し綾之助ことお園ちゃんが、いい子過ぎる気がした。『人間生きてて何一つ無駄なことはあらへん』というお勝さんの口癖が印象的。
2013/07/03
たま
明治時代に娘義太夫で人気を博した竹本綾乃助。明治の女芸人だから、石牟礼道子の描く流しの女浄瑠璃語り(『西南役伝説拾遺』)とまでいかなくとも、恵まれない出生の苦労話だろうと思い込んで読み始めたら、旧士族未亡人でしっかり者の養母に守られ、請われてデビューしてすぐにスター、やがて慶應出身のファンの青年(一般男性です)と結婚して引退というトントン拍子だった。もう少し社会風俗を書き込んでほしかったけれど、明治20~30年頃の寄席の様子は詳しく書かれている。落語に講談に義太夫に、話芸が盛んだったのだ。
2021/02/17
detu
娘義太夫、竹本綾之助。大阪で天才と囃され、十代半ばで義母と共に東京へ。義母は寄席芸人などと嘯くも綾の唄いを聴いた人々は放っては置かなかった。当の綾も唯々浄瑠璃を語ることだけが楽しくて仕方なかったのだ。やがて推しも押されぬ大看板に。竹本綾之助は一世風靡。贔屓筋は大店の旦那から川田小一郎、渋沢栄一、有栖川宮ととどまるをしらず。落語三遊亭円朝、講談、松林伯円、歌舞伎、市川團十郎、尾上菊五郎など大看板の名前も出て明治の芸能情勢も面白かった。今で言うアイドル追っかけ、推しメン、スキャンダル、古今を問わず。
2021/05/18
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