「純粋理性批判」を噛み砕く
「純粋理性批判」を噛み砕く / 感想・レビュー
Happy Like a Honeybee
時間とは観念的な概念か、または客観性があり実在的なものか。 カントを始めとする哲学書は語学学習と同様であろうか。 時間と労力に比例し、困難を厭わない者だけが体得できる厳しい世界。 現代では毎日のように、夥しく出版される書物たち。 その中にはカントなど難解な哲学書たちの思想を、アレンジしている本も多いだろう。 その意味でも少しずつ挑戦しよう。
2018/03/24
テツ
人類が書いた書物の中で最も難しい物の一つとされるカントの『純粋理性批判』を我々のような凡人が暇つぶしにする読書で理解できるわけがないという事が良く解る一冊。カントがそれこそ一生を費やして到達したモノに触れるには(そして出来ればほんの少しでも理解するには)相応の努力と時間を費やさなければならない。中島先生は常日頃から「哲学は優しくない」と仰っているが、改めてそのことが理解できた。難しいことを覚悟しながら時間をかけて噛み砕き咀嚼しなければ理解できない書物がこの世界には山ほどある。
2015/01/04
チネモリ
本書は『純粋理性批判』「アンチノミー論」の副読本と捉えてよい。該当箇所を引用しながら解説を進めていたり本文を読み進めながらわかりにくいところを「噛み砕いて」いく点が本書の特徴である。カントの文章の不親切さや誤訳などの指摘もあり著者のカントとの付き合いの深さも窺える。著者が一生懸命「噛み砕いた」にも関わらずカントが前提としていることや問題の発想法などがわからないと「アンチノミー論」は理解できないだろう。本書を横に置きながら『純粋理性批判』と少なくとも10年付き合う覚悟が必要だと感じた。
2018/02/24
Olive
この本の柱は、超越論的理念の4つのアンチノミー、それぞれのテーゼと証明、アンチテーゼと証明、注解が主な柱になっている。岩波の篠田訳に基づいて解説。(篠田訳は誤訳が多いと言われている)壮大過ぎてチンプンカンプン、何度も挫折してきたが、少し理解したかなと思う。これでもほんの一部の解説。カントとは、純粋理性とは何かを知りたくてカント周辺を手に取ってみた。200年前の哲学が今でもこんなに”愛され?”ているのはカントの自然科学と生きる価値を俯瞰した哲学にあると言われる。光文社古典新訳文庫の方が読みやすいと思う
2020/09/04
yu-ente-isra
カントが形而上学的問い世界に始まりはあるか?世界は無限の大きさか?我々は自由であるか?などに理性だけで挑み、結局それらの答えはない、特に、二律背反な結論(アンチノミー)となってしまうんだ、つまり理性だけじゃどうにもならないこともあるよ、、、ということを証明した超絶難解な原著もしくはその翻訳の解説がこの本である。カントが目指した?理性の限界への挑戦の記録といった感じで読みごたえがある。原著翻訳が引用されているが、とても素人の私に読む気を起させるような文章ではなかった。
2017/03/21
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