死んでたまるか: 自伝エッセイ
死んでたまるか: 自伝エッセイ / 感想・レビュー
mawaji
死と隣り合わせで戦中を過ごした著者の年代の死生観は、平和ボケした私の年代のそれとは大きな隔たりがあるのかもしれません。透析拒否とかいろいろあったようですが、最後はやはり生きてるだけで丸もうけ、といったところでしょうか。49歳の時の第11話、「人の記憶というものはその人を記憶する人の死によって完全に消滅していくものだろう」という記述は、ジョン・レノンが20歳の頃に発言した「人は死んでもその人を記憶している(名前だけでも知っている)人がいる限り死んだことにはならない」ということの裏返しのように思いました。
2011/02/03
Sumiyuki
名エッセイ。事実は小説よりも奇なり。将棋、剣道、酒、女。フグ肝食べたい。米軍捕虜、教授、あいまい屋、大晦日の夫婦、くず屋、烏森のチャップリン、港の二号さん、教え子たち、マグロの紙袋、たこ八郎、親父の愛人、フグ肝、ご祝儀もらうはずの友人への香典、関取、牛丼、老人の集う飲み屋のママ、透析を一度拒否。@老人になったとはいえ、私のように悟り切れない人間は色々なところに惑わしいところに出現して、チャンスがあればすぐに若い女性に近づこうとし、その点では二十代の若い青年と何の変わりもないところがある。
2018/02/08
海
読むものを惹きつける文章で、やっぱり作家の書く文はうまいなあ、と感心してしまった。最初の話は最後があまりに劇的で、情景がありありと目に浮かぶような、映画のような印象を受けた。これだけのエピソードを持った濃い人生、滅多に送れないと思う。合掌。
2014/06/06
てらさか
父親が愛人と将棋をさしていた話やたこ八郎のエピソードが特に心に残った。
2021/04/25
Stair512754
団鬼六、青年時からのエッセイ集 タイトル通り「死」にまつわる話題が多い もちろん、父や友人、知人の「死」 自らの「死」を書くことは出来ないのだ、死んでいないから・・・と、油断していたからラスト2章は読み応え充分 特に文体の変わったところなど驚いた ポルノ小説家、SM小説家などと偏見を持たずに読むと、平易な文章で味わい深い 冒頭の中学時代の話、フグ肝、バラバラ殺人、友人からの祝儀の話などなど また改めて読み返したくなるだろう一冊
2021/03/06
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