15歳の寺子屋 ひとり
15歳の寺子屋 ひとり / 感想・レビュー
モリー
開口一番、「さあ、どうぞ。もっとお楽に。お行儀悪くなさってください。どうぞ、何でもきいてください。悪いことでも何でも。・・・」吉本隆明先生は、私のイメージとは正反対の気さくな方でした。
2019/07/27
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初版2010年。子どもの頃は人と話すのが苦手だったという吉本さん。ひとり孤独に考えていた頃に出会った「言葉たち」は、人としての根っこ。人が孤独をしのぐときの力になると教えてくださいました。15歳の男女4人を対象に行われた寺子屋授業では、吉本さんの気さくな表情がたっぷりと表れています。
2014/09/02
あやの
仕事関連で。吉本さんはさすが思想家。中学生相手でも深遠で抽象的な内容をバンバン話していく。さっと読んだだけでは「こういうことか」と納得できないこともたくさんあるが、「じっくり考えなさい」と突きつけられたような感じ。大人になること、人生とは。挙げられていた作品もきちんと読もう。宮沢賢治「春と修羅」、太宰治「駆込み訴え」、田山花袋「田舎教師」、芥川龍之介「玄鶴三房」その他もろもろ。
2017/11/26
さらば火野正平・寺
追悼吉本隆明。本の薄さと内容の良さにすぐ読了。晩年の語る人だった吉本さんの良さ。十代の少年少女に熱心に話す老人の口から語られる文学や親鸞、恋愛の話。そして感動した『才能ではなくたくさん手を動かす』『人間はやっぱりみんな平等』という意見。格差、不平等が叫ばれる今だからこそ嬉しい。吉本さんの本気だから嬉しい。参加した少年達は、吉本さんを大人と言うが老人とは言わない。地位や名誉だけの事ではあるまい。
2012/11/30
fonfon
酷い虐めにあい長い間引きこもっていた女の子が夜間高校に通いはじめ、この本を「読んで!」と息子に薦めてくれた。やさしい語り口だけれども手加減はない。恋愛や文学を語りながら「なぜ生きるか」という問いにご自身の経験を交えつつ方向性を指し示しておられる。人はどうしても避けられない不可避なことをどう受けいれるか、が「生きる」ということではないか。「こうするより他なかった」という消極性だけが唯一自分の人生を決定づけてきたetc.「書き言葉は自分の心に降りてゆくための道具」鶴見俊輔と吉本隆明は実は根っこは同じみたいです
2011/04/22
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