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飛水HISUI (100周年書き下ろし)

飛水HISUI (100周年書き下ろし)

飛水HISUI (100周年書き下ろし)

作家
高樹のぶ子
出版社
講談社
発売日
2010-12-16
ISBN
9784062166577
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飛水HISUI (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー

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minami

【タイトル縛り 6月は水】不倫の物語ということで、絶対不倫は許せないと嫌悪感を持つ人が多いのかもしれない。でも好きという気持ちは否定できないと思う。不倫を認めるわけではないけれど。昭和43年のバス転落事故がモチーフになっていて、この時代感も良かった。出会うタイミングが違ったらお互い恋に落ちなかったと思う。辰子の好きになった芳ちゃんは、見栄えはするけれど頭が足りない、ヤクザまがいの過去がある。でも辰子の惹かれる気持ちが分からなくはない。キュンというより静かで切なかった。読了後は最初の場面が違う印象を持った。

2023/06/30

クリママ

詩でも読んでいるよう。情愛がこぼれ出そうな。それぞれに家庭のある男女。飛騨古川の老舗旅館。決意したときに起こった大事故。ふと前後の脈絡がわからなくなり、あ、幻想小説でもあるのかと気づく。平凡な生活を送っていれば、ヤクザな男に惹かれることもあるだろう。燃え上がる思いは、立ちはだかる障害があればこそ。不倫が不倫でなくなり、生活と時の流れだけになれば、などと思ってしまう者には、読む資格がないか。若い日に読んでいれば、その純愛に心を揺さぶられたかもしれないが。

2023/05/29

まるっちょ

男と女、二人一組でどこかへ逃げる。 それは不慮の事故でどちらかの命が尽きても続く。 透明なのに暴力的な恋愛。決して普通ではない。噛み砕かれたマーブルチョコが色鮮やかによみがえる。それでいて不思議と悲観的ではない。 死後の世界もそう悪くは無いのかもしれない。水のように流れてゆくような感覚に襲われた。どちらかの心が遠く離れていなければ、ずっと生きていられたのかな。

2017/02/21

香乃

冒頭から幻想的な世界が広がっていました。不倫相手との密会に向かう途中のようなのですが、世を忍ぶ関係とはいえ、それ以上の物悲しい空気が漂っていて、何か理由があるのだろうかと読み進めていくうちに謎は解けます。愛しい人にはそれぞれ妻や夫がいるけれど、決して浮ついた気持ちでつきあっていないことは伝わってきます。無骨でまっすぐな芳ちゃん。そんな芳ちゃんに迷うことなく惹かれる辰子。ずっと忘れずに自らの人生を生き抜き、最後の最後で純愛を全うする姿にほろりとしました。

2016/12/16

chii

互いに妻、夫を持つ身で恋に落ちた芳ちゃんと辰子。一緒に暮らそうと一生に1度の気持ちでそう誓い合った翌日、バスの転落事故で芳ちゃんは亡くなってしまう。芳ちゃんの思い出と共に生き、そして違う世界で再会することが出来ましたとさ、めでたし、めでたしっていう世界で最も美しい愛と命の物語らしいのですが、旦那ではない男に走り、息子もいるのに芳ちゃんですか?えっ?辰子の愛は美しいんですか?平凡な旦那で詰まらないから不倫に走ったんですか?自分自身が歩み寄ろうとしないからじゃないんですか?といろいろと辰子に問いかけながら読了

2011/06/17

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