醜聞の作法 (100周年書き下ろし)
醜聞の作法 (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー
しょこら★
どの時代も、噂話は好まれるもので。ほんとうでも、うそでも、まあどっちでもいい。自分(たち)が楽しめれば! 噂の当人たちは気が気じゃないだろうけど、人の噂も七十五日というし、実はいい話だったりすると、途端にみんな興味を失って忘れちゃう。 18世紀のパリの雰囲気もなんとなく楽しめたけど、ちょっと想像が追いつかないとこもあり、もっと知識があれば…と悔やまれる。
2013/05/09
てふてふこ
昔も今も、どの世界でも、人間は噂好き。羨ましいと思われる人程、醜聞は先入観で創られ広まってしまう。滑稽ですね。そして見下していた人物が、実は狡猾だったというストーリーも面白い。
2016/01/09
鷹図
書簡体という体裁につき、いわゆる「信用ならざる語り手」の効果も最大級に発揮されている。エスプリ満載の洒脱な文章による語りと騙りの応酬の中、大団円へと導く巧みなストーリーテリングが読みどころ、と要約すれば半分も読んだ事にはならないので注意。というのも本作は冒頭からして『ラモーの甥』のパロディであり、他にも随所に古今の文学作品などからの引用が散りばめられた、さながら知的な引用の織物となっている…らしい。らしいというのは、ググらなきゃ気付きもしなかったから。まぁそういう意匠に不案内でも、十二分に楽しめる一品。
2011/10/24
紅はこべ
この作家で一番しゃれた感じの小説。
2013/04/04
kochi
フランス革命の十年前、嫌がる養女ジュリーを嫁がせようとする夫の姦計を中止させるべく侯爵夫人がとったのは、醜聞をひろめ、世間の哄笑の的にすることで、夫に諦めさせる作戦。事の成否は、書き手に指名された不遇の弁護士ルフォンの筆にかかっていた・・書簡体小説の形を取りつつ戯曲的な表現もあり、作中作のパンフレットが間に挿まれる複雑な構成。仏文学や歴史に詳しい方なら、種々の仕掛けに気づくのでしょう。こんなところでニュートンの『プリンピキア』に出会うとは!
2012/05/06
感想・レビューをもっと見る