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散り残る

散り残る

散り残る

作家
田牧大和
出版社
講談社
発売日
2011-01-01
ISBN
9784062167499
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散り残る / 感想・レビュー

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初美マリン

真っ直ぐに生きる誠之助をはじめとして、それぞれ一生懸命生きている。心静かに相対せぬものは、すべて自らの鏡と思えという老僧の言葉と決して逃げるなというのが、心に響いた

2020/01/23

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

医師を目指す誠之助は師から季節が一巡りする間、薬種問屋・藤屋の薬草園を手伝ってくるよう命じられた。最初は気がすすまなかった誠之助でしたが・・。「舞う桜、逸れる蛍、隠す雪、結び」連作短編集全4話。前回読んだ「三人小町の恋」も面白かったけど、こちらも面白かったです。誠之助、早苗、左近の三角関係がもどかしくもあり羨ましくもあり、読み終えてしまうのがもったいなかったです。何といっても誠之助や和尚様の子どものような憎まれ口が楽しかったです。誠之助はきっと口は悪いけど腕は良い医者になるのでしょうね。★★★★

2012/08/16

ぶんこ

密かに憧れていた左近に会いたいばかりに・・・そこで起こった事件から、 いかに多くの人の人生が狂ったか。 あまりに切ない物語でした。 そんな早苗と左近の間に現れた誠之介によって、少しは皆が幸せになったのでしょうか。 弟弟子の要領の良さに振り回された誠之介の気持ちが、共感できるだけにヤキモキしました。 落ち込んでいた誠之介が、藤屋の人々の温かさと、早苗への恋心、左近との友情で、本来の自分を取り戻したのがよかったです。

2014/11/22

藤枝梅安

2時間で一気読み。薬種問屋の娘・早苗、その用心棒・左近、駆け出しの医師・誠之助の3人の関係が季節の移り変わりと共に微妙に変化していく過程を情緒豊かに描いている。この作家は、左近の過去を次第に読者に明らかにしていく手法など、部分的な描写や人物の造形は美しく優れているが、物語全体の枠組みが弱い気がする。事件の謎解きもすっきりし過ぎている。だからこそスイスイ読めるのだが、読み終わった後、残るものが希薄な感じ。ま、クドイよりはいいのだがね。終わり近くに早苗の右腕の件が述べられるが、腑に落ちない点が多いのが残念。

2011/11/06

みか

誠之助、いい味出してます。こういうお医者さんがいた江戸の町っていいところだったんだろうなぁと思わせます。左近さんもすてきですが、圧倒的に誠之助押しです。薬草園も是非覗いてみたいし、寺子屋で講義を受けてみたい。生き生きした話で読んでとても楽しかった。

2012/04/17

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