天魔ゆく空
天魔ゆく空 / 感想・レビュー
藤枝梅安
ミステリー作家の歴史物第二弾。2010年2月から翌年1月まで小説現代に連載された。室町後期・戦国初期の武将・細川政元の生涯を追った作品。才能があるトップは部下への説明なしで事を進める。それがうまく回っているうちは良いのだが、歯車が狂いだすと部下は右往左往するばかり。現代に通ずる物語ではある。政元と異母姉・安喜(洞松院)との複雑な関係、政元の胸に秘めた思いと奇行の数々、当時の社会情勢や公方と守護の関係など、多くの観点を織り込んでいる。その分、散漫になっている印象があり、小説として楽しめる内容ではなかった。
2012/11/23
スズメ
細川家といえば忠興&ガラシャ、室町幕府・八代将軍といえば日野富子と挙がる中、活躍しているのにこの主人公は知名度が低いような気がします。でもここまで面白く出来るとは、流石は真保さんですね。同じ細川家でも頼春から分かれて頼元の子孫・政元の細川家は没後内紛の後に没落、方や頼有の子孫は政元没後約50年後に忠興などを加えて元総理大臣まで累々と「細川家」は繋がっています。時代物は流れが解ると面白さも倍増します。
2011/06/04
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
帯のあらすじの主人公の紹介文を見たら、これはとうとう真保裕一が伝奇ものを書いてくれるのか、楽しみだなぁと読んでいたら、めちゃくちゃ真っ当な時代小説だった。こういう小説で日本の歴史を知って行ければ、もっと日本史が好きになったのになぁ…
2011/05/19
まつじん
なんか読んでがっかりの時代小説です。応仁の乱より後で戦国時代の前、つー時代自体が面白くないのか、主人公の立場が武士のはずがちっとも武士らしくない。ある意味政治小説なんでしょうねぇ。
2011/05/01
むつぞー
細川政元という人物を、父、姉・洞勝院、側近や敵対する者、そして日野富子などの視点から描き出します。 その時代をも描き出すにはよかったと思いますし、周囲に理解されない、しきれない細川政元の人物像が伝わったとも思います。 ただ軍力より知力で半将軍と呼ばれるまでになった人物が、如何に考えてきたのか、何を思っていたのかという点も推測になるので、ここがもどかしくも感じるところでありました。 もう少しストレートに真保さんが描き出す細川政元を理解してみたかったですね。
2011/05/15
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