八月からの手紙
八月からの手紙 / 感想・レビュー
ユザキ部長
白人も黒人も黄色もない。そう、俺達は同じ国で生きている。アメリカではなく、野球の国で。その国のボールは、狂気の世界である収容所でも、外では正気の世界があると示す。託されたメッセージを元にもう一度会いたいと願う。かつて職業野球とは別の日本リーグは歴史の彼方にあった。寂しさばかり残る後読感。
2016/12/26
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
【図書館本】終戦から1年、まだ焼け跡が残る日本で新たに立ち上げようとするプロ野球新リーグ。その監督を要請された日系二世の矢尾。米国での辛い収容所時代、国を越え、人種の壁を越え、野球を通じて交わした友情。たった一球のボールに込められた言葉の無いメッセージ。ジョシュ・ギブソンやサチェル・ペイジ等実在したニグロリーグのスターもモデルにして、史実とフィクションが上手く散りばめられた良質なお話でした。★★★★
2016/12/15
ともくん
ひとりの男を絶望から救ったのは野球だった。 野球が希望の光だった。 野球と戦争と人種を越えた友情。 構想十年。 著者、渾身の一作。
2019/01/23
metoo
米国で生まれた日系二世の矢尾とニグロリーグで活躍するギブソンとの野球を通じた友情の話。ニグロリーグのファンサービス「アマチュアデー」でギブソンに対して投げる矢尾の配球は興味深いし、日本人収容所にいる矢尾を励ます為ギブソンがチームを引き連れてホームラン球を収容所内に打ち込むシーンは映画のよう。しかし、「八月からの手紙」のタイトルがピンと来ないし、戦後、日本リーグ発足しようと立ち上がった男達のロマンは尻すぼみとなる。戦争や人種差別に翻弄された野球バカの矢尾とギブソンだけに光を当てても良かったのでは。
2017/08/30
背古巣
これってノンフィクションなんですか?堂場さんの作品だから事実を基にしたフィクションと思って読んでいましたが、後書きを読むとどうも事実を取材して書いているみたい。戦争当時の日系アメリカ人の収容所や日系二世部隊の話などが出てきて、暗い気持ちになりましたが、矢尾とギブソンの友情はとてもよかったです。題名から高校野球の話かと思って読み始めたのですが、違う意味だったんですね。心にしみる作品です。
2017/11/13
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