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部屋

部屋

部屋

作家
エマ・ドナヒュー
土屋京子
出版社
講談社
発売日
2011-10-07
ISBN
9784062170093
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部屋 / 感想・レビュー

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ひめありす@灯れ松明の火

ここはジャックにとっては世界の全て。だけど世界にとってここは存在しない場所。丁度ママのお腹の中の様に。靴下からスリッパへ、履きにくい靴からマジックテープの靴へ。履物に足を入れる度ジャックの世界は開かれていく。階段を上って階段を下りて。部屋の中には存在しない上下運動をする度にジャックは世界に閉じ込められていく。no where。ママは何処に居ても薬を手放せない。名前のないママから逃がれられない。now here。母と子はここにいる。片手に鳥籠を、片手に鍵を持って。good-byeそしてhello,world

2016/07/13

さら

目次が子どもの筆跡であること、ひらがなの多さ等、この物語が子どもの目線から語られるのだということが窺えました。監禁事件は日本でも、またよその国でも実際におこった事です。痛ましく思いながら読み始めたのですが、語りがジャックいとう5才になったばかりの男の子だからか深刻さが無く、むしろママと二人の生活を「普通」に楽しく送っている様子でした。読み手が「異常」に気づくのはテレビのこと。ジャックはテレビの中のことは現実ではないと思っていて、ジャックにとっては「部屋」の中にしか現実がないのです。 → 続

2013/02/12

ruki5894

一つの世界から別の世界へ。言い換えれば別の地獄へ。でも、大丈夫。きっと乗り越えられる。生きる力に希望を感じて心からエールを送る。映画も観たい。

2016/02/05

五歳の男の子によって語られる物語。最後の最後まで、ちょっと期待はずれかなぁ~といった気持ちで読んでいたのだが、なぜか読み終わると胸にくるものがあった。訳者さんのあとがきを読んで、さらにジャックが愛しく感じ、なんだかしばらく気持ちを引きずりそう。

2012/06/22

えみ

映画がとにかく泣けて泣けてしょうがなかったので原作も手に取った。五歳児目線の文体が分かりづらくもあったが、外の世界を知らないジャックだからこそ、その閉ざされた日常を明るく淡々と語るところに、事態の異常さが際立つ。極限下での出産と育児…そうするしかなかったのか?と脱出後にマスコミから問われ壊れていく母親の苦しみが胸に刺さる。映画はかなりの緊迫感、そちらもおススメ。

2016/05/11

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