村上春樹の短編を英語で読む1979~2011
村上春樹の短編を英語で読む1979~2011 / 感想・レビュー
抹茶モナカ
途中まで読んで、間を開けてから読了。この方の村上春樹研究は妄想が原動力だ。なるほど、と思っていたら、それは思い込みというか、飛躍が過ぎるのでは、というのが混ざり込む。でも、僕みたいにただ読んでいるのとは違う切実さを感じる。自分の妄想と言い訳しながら、飛躍した読みを展開する場面、そこをどう捉えるかで好き嫌いが出る本。まとまった批評として村上春樹研究の仕事を残した事は評価されるべきかもだが、なんとなく謎解き風味が個人的に嫌いだ。
2022/01/12
里馬
春樹が好き、と抜かしながら短編ほとんど読んでなかったや。好きな作家に関する評論ってあんま好きじゃなくて、それは僕が変な読み方をしてたり、評論家が穿った読み方してたりで、共感を覚えないのが一等の理由。だからもし僕が短編を既にいくつか読んでいたら此処までに興奮しつつ一息に読み耽る事はなかったかも。この先生の本(勿論春樹短編集も!)、もっともっと読みたいです。
2011/11/03
コニコ@共楽
時には相当の妄想を描きながらも、村上春樹の短編で繰り広げられる深くて“わかりにくい世界”を丁寧に解説しています。600ページほどのボリュームがじわじわと豊かに独特の世界を作っていくようで充実した読みものでした。
2011/11/08
梟をめぐる読書
「村上春樹の短編を英文で読む」のでもなく「ストイックに村上春樹の短編だけを読む」のでもなく、外国人読者相手の講義をもとに、長編作品との関係まで網羅した村上春樹総論。徹底的な調査に裏打ちされた「読み」は相変わらずの精度で、それ以外の見方ができなくなりそうなほど。
2011/09/15
Sherlock Holmis
村上春樹の短編に関しては表層的な雰囲気を楽しんできた傾向が自分にはあったが、ここまで考察を展開できるのだと素直に驚き、読み直したくなる。枕頭の書として繰り返し読むことで一層読書に深まりが出そう。しかしそれにしてはちょっと重すぎるだろう。
2019/11/09
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