天の方舟
天の方舟 / 感想・レビュー
まつうら
苦学生だった黒谷七波が貧乏生活から脱却する手段として裏金に目をつけ、贈収賄の世界に飛び込んでいく物語。稼ぐためとはいえ、リスキーな裏金に目をつけることは不自然であるものの、どうしたら裏金が生じるのか何も知らない七波の視点で語られる赤裸々な裏世界はとても興味深い。当時、ODAが途上国で汚職の温床となったことを受け、OECDが日本に圧力をかけていたが、日本の政官財は海外での贈収賄を裁く法を作らせなかったという事実にも愕然とした。最後に七波は裏金の世界から手を引くが、どす黒いものを感じさせる引き際がまた見事だ。
2022/07/26
も
ODAがらみの裏金というテーマはとても興味深かったし、実際金の流れなど取引の裏側を垣間見たようで面白かった。しかし、ヒロインに魅力がない。お金が必要な事情は分かったけれど、コンサルとして裏金に手をつける動機としては弱い気がしました。しかもものすごく野心家のように描かれているけれど、世界情勢や国会の動きに疎すぎじゃないでしょうか。テーマがよかっただけにちょっと残念でした。
2015/07/23
まつじん
平成の日本史、”黒歴史”というと言い過ぎかな。日本の経済発展を支えてきたゼネコンの裏側を勉強できる小説ですかな。主人公の女性の動機付けも納得の設定なんですが、最後のオチのつけ方・・・イイのか悪いのかサッパリわからなくなりました。そして何よりなんでこんな題名になったの?誰か教えてくれ~
2011/07/31
takeapple
開発コンサルタントとしてベトナムでODA絡みの汚職に関わる話。私がケニアで見聞きしたODAの実態とあまりにもかけ離れていた。まあ、ベトナムでの橋が落ちた事故は実際に起きたことをモデルにしているのだろうし、80年代から90年代に批判された時はこのようなことがあったのかもしれないなあと思わなくもない。でも、多くの真面目に国際協力や国際援助をやっている人々には受け入れられない内容なのだろうなあ。読んで考えてみるのもいいと思って読んでみたけれど‥‥
2012/08/24
れんこ
ODAの話は思っていたよりは読みやすかったけれど、この本を一気読みする体力はなく、図書館の返却延長。時間はかかりましたが飽きることはなかったです。
2014/01/18
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