藁にもすがる獣たち
藁にもすがる獣たち / 感想・レビュー
いつでも母さん
赤松寛治の気持ちには寄り添える私がいた。わかってる、犯罪なのはね。お金が無いって、現実問題だけれども心まで貧しくなってしまうのが苦しい。しかし、寛治・江波戸・美奈この三人の糸が上手く絡んでましたね~どんどん先が気になって進む進む。それにしても、しのぶさん(さんはいらないか・・)いや~こういう女には要注意だな!
2016/05/02
モルク
元床屋を営んでいた初老の男、ヤクザに借金をしている警官、夫からのDVを受けるデリヘル嬢と、視点を変えながら進んでいく。この3人の共通点は金に困っていて藁にもすがりたいという思いを抱えているということ。そして、1億円の入ったバッグをめぐる争奪戦。時系列の罠にはまり混乱するも、気がつけばピースがかちりと合う。そうだったのか、おもしろい、唸る!
2021/04/20
みっちゃん
読友さんの「面白いよ」のお言葉に誘われ、曽根作品5作目。ほんとに面白かった!次々に出てくる死体はホントは誰なの?時系列はどうなってるんだ?むむ、わからん…と混乱していると、終盤に再びあの場面が出てきて、ああ、またやられた!伏線はアレだったか…この3人、しょうもないわあ、と思いながらも、誰でも何かの拍子にこうなっちゃうんじゃないか、とちと恐ろし。1番恐ろしいのは、物語の裏側から浮かび上がるラスボス的なもう1人の主人公。絶対、今も生きてるような気がする。
2015/03/03
ma-bo
サウナ屋でバイトをする元床屋の初老の男、ヤクザに借金をする悪徳刑事、夫からDVを受け隠れてデリヘル嬢をする主婦。冒頭深夜のサウナに不審な男が忘れていった大金入りのバッグの場面から始まり、3人の物語が交互に語られる。無関係に思えた3人の時間が重なる時、最後に冒頭の場面に繋がるブラックな群像劇。同時並行と思わせておいて、なるほどそうかぁ。面白く読了。
2024/11/10
ま~くん
サウナに忘れられた大金の入ったバッグを隠し続けるアルバイトのおじさん。夫のDVに苦しめられ、更に借金を背負いデリヘルで働く主婦。ヤクザとは腐れ縁。駄目刑事を地でいく男。全く無関係の3人の人生。生きる為に、置かれた状況を打破する為に必死にかけずり回る。物語の終盤にかけて見事に伏線が回収されていく様は爽快の一言。読了後に思わず1P目から読み返してしまった。びっくりするような真犯人は出てこない。でも3人の獣達の末路は必見。藁にもすがりたい程追い詰められたことは人生でまだ一度もない。 人生の分岐点の見極めは大事。
2022/04/10
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