星火瞬く
星火瞬く / 感想・レビュー
とし
1859年息子アレクサンダー・シーボルトを連れて再来日したフィリップ・フランツ・シーボルトが幕府顧問官職を辞し1862年に帰国する間、息子が見た日本の幕末の物語。少し物足りない感じがしたかな高杉晋作、勝麟太郎、小栗忠順などが登場するのだが後2,3年後位まで見て欲しかったかな。
2014/12/13
文庫フリーク@灯れ松明の火
鎖国という太平の眠りを破られ迫る列強各国に揺らぐ幕末。鮮やかな表紙は英・仏・米・オランダ等の居留地となった《開港当時本町を主とした横浜町全景》視点はシーボルトの長男アレクサンダー。不凍港求め武力で対馬に居座るロシア。イギリス・フランスと各国の思惑絡む中、外交に冷静で器のでかさ見せる小栗忠順。異彩を放つロシア流刑地から脱走し日本で活動する革命家バクーニン。この二人が魅力的だった為もっとページを割いて欲しかった所。小栗の螺旋に清河八郎・勝麟太郎・高杉晋作。続編有るなら誰がメインでも濃い物語が期待できそう。
2011/09/18
ゆみねこ
シーボルトが2度目の来日をした折に同行した息子アレキサンダーを通して描かれる幕末の日本。歴史上の有名人が多々登場して、面白く読めました。ロシアの革命家バクーニンのことが主に語られていたけれど、父シーボルトのことをもう少し読みたかったですね。
2014/03/18
藤枝梅安
葉室さんが幕末をどのように切り込んでいくのか興味深い作品。北森さんや火坂さんは硬派に徹し、浅田次郎さんは女性の視点で情感豊かに描いた。葉室さんのこの小説はその両方の良い所取りをめざし、結果的に散漫な作品になってしまっている。シーボルトの息子・アレクサンドルを語り手に据えて、バクーニンと高杉晋作と清河八郎を出合わせ、小栗忠順と勝麟太郎を対決させ、ロシアとイギリスの対馬獲得の画策を追っている。葉室さんには、地方の小藩のお家騒動とそれに翻弄される下級武士を描く小説を極めてほしいと思う私はわがままなのだろうか?
2012/05/18
Gotoran
黒船来航で鎖国が瓦解、尊皇攘夷論の波で幕藩体制の基盤が揺らぐ幕末動乱期、シーボルト父(子)が長崎港に再来し、父シーボルトが汽船セント・ルイス号で横浜港を出港するまでの間。その息子アレクサンダーカが主軸で、様々な歴史上の人物(無政府主義者革命家のバクーニン、外国奉行の小栗忠順、清河八郎、高杉晋作、勝麟太郎他)が居留地横浜を舞台に、時代の流れに翻弄され、また時代を動かしていく。著者の創造力で、史実をもとに、物語は縦横に点から線へ更には面へと織りなされていくも、若干の物足りなさの感は否めず。
2015/08/04
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