来たれ、野球部
来たれ、野球部 / 感想・レビュー
めろんラブ
今年は高校野球100周年。「爽やかな感動をありがとう!」が似合う甲子園の開幕を控え手に取るも・・・「爽やかな感動」は何処?さすが”歪み”が素敵な鹿島田さん。ハイパー純文学作家が、型どおりの青春物など手掛けるはずもなく。ラノベや少女漫画の体裁をとりつつ、息苦しいまでの自意識が前衛アートのごとくキレッキレ。私は大好物でしたが、とにかく毒とクセが強いため、苦手とする人が多そう。タイトルや装画から入ると内容とのギャップに驚くかもしれませんが、なにしろ作者が鹿島田さんなので。変則的な青春文学を読みたい方は、ぜひ。
2015/07/29
ひめありす@灯れ松明の火
鹿島田真希がこんなに可愛い小説を書いている!これはもう、タイトルと言い表紙と言い、インパクト勝ちでしょう。二人がすったもんだの末にちゃんとくっついたところからは可愛らしくてとてもよかったけれど、お前ら恋に浮かれすぎだろう、とちょっとだけ思ってしまった。野球で投げるストレートは、実は最初に習う変化球なんだよ、という事を思い出します。まっすぐな言葉、まっすぐな性格の愛情は実はものすごい回転と運動のベクトルの変化によって成り立っている。それを投げて受けるのだから、きしきしと掌が腫れて痛むこともあるだろう。
2011/11/21
ぺぱごじら
本屋さんで見かけて『あージュブナイルものかなぁ』と軽い気持ちで購入したら、ナニコレコワインデスケド…(汗)。陰惨な思考と清々しい情熱が共存する矛盾に満ちた、でも『それこそが人』と頷いてしまう登場人物たち。自らの弱さを隠すために装い・妄想の砦を築き・暴力に身を焼かれていく。その中でたった一人、人は弱いもの、完成された人間などいない、愛は物足りないものという『正論だけど建前』な言葉を、無邪気に信じて、叩き付け、飾り気なく生きる少女が輝く。章変えもなく、パラグラフだけでくるくる替わる視点の演出も好み。
2012/01/31
BlueBerry
少女漫画で有り勝ちな設定ですね。俺様、ツンデレとかも捻りを加えて織り込まれているようです。女子には受けそうな本だと思いました。そういう系が好きな人にはお勧めです。
2013/10/15
acidrain
生臭い。そして狂気に満ちて気持ち悪い。何が野球部だよ、自論を上手い事野球に引っかけたいだけでこのタイトルにしたんじゃないのか、と。読むのが苦痛だった。多感な少年に自殺した子のメンヘラ日記みせて主犯が同じ道を辿る為に導いたり担任の嫁が「ブス」と言われただけで鬱になり自殺したり。自分の多感な時期(現在進行中)にいろいろくどくど悩んだりパートナーがいると不安に飲み込まれ、この小説みたいに病んで孤立した経験もあるけど、だからといって4人の視点でぶつぶつ言って病んでいくこの話は面白くない。買わなくて良かったと思う。
2013/01/11
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