裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす
裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
21頁前後で、 爆発して、放射能から逃げねば、 と動揺を隠せない叙述が読者を支配する。 何とも言えない重苦しさ。 避難を決断できた村と できなかった村(56頁~)。 自治体によって住民の寿命に長短が できてしまうということだろう。 風評と実害(75頁)。 やらしい人達は、自分たちが加害者 のくせに、被害者ぶってみたりする。 立場逆転しているのである。
2014/05/07
rymuka
この本は,私たちへ,フクシマの実情を突きつけていると同時に‘政治がその実情に対してどう作用することがよいのかという問題’をも,突きつけているように思う。 ~http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-34.html
2013/01/13
D21 レム
川内村に住む作家。外の者が書いたものとは一線を画す。福島の現状は複雑だし、いろいろな人もいるし、あらゆることが煩雑。疲労感、徒労感、暗澹たる気持ちになる。60年代米ソ核実験時の汚染で大丈夫だったんだから、とよく聞くが、著者によると、その一万倍もの汚染がある計算になる。また、チェルノブイリより少ないというが、国土面積が違うから、比較にはならない。「今も被爆している福島県民」という反原発運動などが逆に福島県民を傷つけるという矛盾。現実を踏まえて、それでも、愛着のある土地に生きる人だから書けた本。胸が塞がる。
2012/08/23
てら
福島原発から30km圏内にありながら、風向きなどの要因によって比較的汚染の少ない川内村で暮らし続ける作家・ライターによる「淡々とした」原発事故被災記録。しかし、ここには怒りがないわけでも、あきらめているわけでもない。むしろ怒りを持って、なおかつあきらめないために「淡々としている」のだと思う。これを出版した講談社は素直に偉い。原発賛成とか反対とかいう次元を超えた、一冊というよりは「一撃」のような本です。
2012/02/19
海月
原発30km圏内で暮らす現実をオーバーにも美化することもなく書いた本。マスコミで報道されることのない話が気にかかる。一読を薦める。文がうまいなと思ったら、著者は昔、小説すばる新人賞受賞者だった。なるほど。
2012/03/11
感想・レビューをもっと見る