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恋する原発

恋する原発

恋する原発

作家
高橋源一郎
出版社
講談社
発売日
2011-11-18
ISBN
9784062173377
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恋する原発 / 感想・レビュー

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風眠

大いなるエロだね、バカだね、あほだね、正直すぎるね、怒られちゃうね。だけどこんな風に、ありもしない言論の自由に真っ向から立ち向かった高橋源一郎の強靭さと愛の深さには、きっと誰もかなわない。震災チャリティーAVを作るっていう、あほなストーリーの中に、ハッとする言葉がところどころに隠れていて、はははって笑ってて一瞬グッと喉が詰まる文章が目に飛び込んでくる。「正義」を論じることなく、正しさとは何かを伝えている。もうこれ文学作品として位置付けたい!『震災文学論』では、ナウシカと神様2011の引用が素晴らしかった。

2012/07/12

ランタン

タイトルからは考えられない話だった。頭おかしいけど、中盤くらいから面白さがつかめた気がしないでもない。

2017/11/02

多聞

東日本大震災チャリティーAV制作の過程形式。AVを通して死者への追悼、「汚れ」=タブーを忌避せずに現状に真っ正面から向き合う姿勢を相変わらずのノリで描写している。「震災文学論」は本作の最大の骨子だと言えるだろう。

2011/12/20

oz

初読。震災以降の一時的な失語状態から、「その後」を語ろうとする試みは、国家と資本によってゆるやかに、悪い場所へと導かれてしまった。政治家は平気で嘘を言い、国民ももはやどうにもならないことを知りつつ、どうにかなるさと状況をひたすらに失認する。アドルノは「アウシュビッツ以後、詩を書くのは野蛮だ」と言った。それが事実でも、それを打破できる「言葉」の存在を信じるならば、それは金子みすゞ的なナイーブなものだけではなく、あるいは浮薄な『恋する原発』の中の「言葉」に宿るものもあるかもしれない。

2011/12/16

もっさん

なんなんだこれは(困惑)軽いノリとテンションで登場人物たちが色々わけわからんことをやっているのだけれど、それに何か凄く大切な意味込められているように感じた。具体的に「何が?」と聞かれると困るけど。所々ミュージカル調になるのも何なんだろうね。「震災文学論」が本全体の終わりの方、唐突とも言える場面で差し込まれているのも興味深い。それと、セリフに「」が使われず、地の文のように淡々と書き連ねられているのも面白い。

2014/11/23

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