地の底のヤマ
地の底のヤマ / 感想・レビュー
ケイ
長かった。大牟田の炭鉱町の警察官の少年時代から定年間際までの物語を炭鉱の歴史を絡めて描く。四つの話からなっており、これは文庫本に一冊ずつできる分量だと思う。登場人物が多いが、人物の一覧表がある上に、同じ人物たちが何度も登場するので、わかりやすい。実際にあった事件を絡めているので、犯罪をそこに持ってくると犯人をどうするのかは難しかったのだろうが、毎回解決の時には拍子抜けした。主人公が解決していく事件より、炭鉱で働いていた人達がいかに人権も無視され蹂躙されていたかに興味をひかれた。
2014/05/08
koba
★★★☆☆ 長かった〜。
2013/12/30
鷺@みんさー
読んだー!とにかく「一大プロジェクトを終えた」感。登場人物一覧だけで60人、二段組で860ページ、京極クラスの凶器本。三池炭鉱と大牟田という地を舞台に、一人の警官の半生を通して、この町と人の生き様を描く。四部構成で章ごとに事件が起こり、主人公は数奇な運命に導かれるかのように関わっていく。やがてラストに全てが集束し、やるせなさと同時に感動も覚えた。太平洋戦争から、ヤマの炭坑夫たちの歴史は始まる。秘密を持つ男と女、誰もが必死に生きている。過去の罪。贖罪。正しいこと、などない。生きることとはこういうことだ。
2019/07/21
山田太郎
福岡にずっと住んでて、現在大牟田のちょいと久留米寄りで働いているので、ものすごく親近感の湧く舞台設定。しかし、ちょっと大牟田を美化しすぎと思った。主人公の人格がちょっとついていけんところがあるけど、面白かった。
2013/01/10
at-sushi@ナートゥをご存知か?
かつて炭鉱の町として栄えた大牟田市を舞台に、中学時代に友人達と犯した罪に苛まれる警官の半生を描いた一大クロニクル。「警官の血」の向こうを張る860p、2段組の力作は内容は勿論、物理的にも重かったw 警察小説としても面白いが、新旧労組対立をはじめ、強制労働、炭塵爆発事故、爆発赤痢事件等、往時の面影を失いつつある町の近現代史を知るガイドブックとしても秀逸。著者の郷土愛がひしひしと伝わり、一度じっくり歩いてみたくなる。市には是非、作中に出てくるやたら美味そうな飲食店MAP作って欲しいわw
2016/02/24
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