ジョン・マン 大洋編
ジョン・マン 大洋編 / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
言葉すら通じないアメリカ捕鯨船に救助された万次郎たち。わずか14歳ながら聡明さと骨惜しみせず働く気概、クジラ発見する天賦の視力でハウランド号クルーに受け入れられて行く万次郎。巻末の参考文献に、どこまで山本さんの味付けが加わっているのでしょう。捕鯨でのとどめの一撃が、日本の刃刺のようでちょっと違和感。面白いのですが、のめり込む前に視点・場面転換され、ぶつ切りのような。巻頭の地図見ると気の遠くなるような万次郎の旅。エピローグでやっとアメリカへ。まだまだ続く様子なので、続編での展開に期待です。
2012/05/04
まりお
アメリカの捕鯨船に救助された万次郎達。初めての異国。人種に文化、言葉が全く違う所での生活。様々な体験に心踊らせつつも、土佐に帰るために金を稼ぐ事に。次回はアメリカ上陸、楽しみです。
2018/02/11
greenish 🌿
伊豆諸島の鳥島に漂着し捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助される万次郎。鯨との格闘を目の当たりにし、日本人として初めてハワイを見、そしてアメリカ大陸を目指す。『ジョン・マン』シリーズ《大洋編》 ---遠目が利きくだけでなく、異国の船員たちに慕われ・認められる人柄や肝の据わり方。何より、未知なるものを吸収できる聡明さが、僅か14歳にして備わる万次郎。敬意をもって『ジョン・マン』と呼ばれるまでが活き活きと描かれる。ホイットフィールド船長、船頭・筆之丞、網本・徳右衛門・・・一力作品の男達はやはり魅力的なのである。
2013/11/04
万葉語り
シリーズ2作目。鳥島に漂着した5人がジョン・ハウランド号に救助される。言葉も通じない船内で、シイラを釣って料理したり、甲板掃除をかって出たりして徐々に海の男同士分かり合っていった。ハワイでほかの5人は下船し、万次郎だけが5人分の船賃を稼ぐためアメリカ本土まで行くことになった。一気読み。2020-077
2020/05/02
キムチ
正直、津村氏吉村氏も読んだものとしては「読物」の域を出ず、いささか物足りない。時代劇特有の掛け合いや食事風景、目下へかける温かいしぐさを味わいたい向きにはいいかな。万次郎をはじめ、五右衛門らが船長やボースンに愛された雰囲気が伝わってくる。とはいうものの生活習慣の大きな違い、言葉の壁を乗り越えた努力は天賦だけとは思えず、筆舌に尽くしがたいものがあったろうと察する。「ウェルカム ジョン」とウミネコが合唱するのはこけたけど。
2014/05/26
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