トマト・ケチャップ・ス
トマト・ケチャップ・ス / 感想・レビュー
ばう
★★★★大好きな東直子さんの小説。高校で一、二を争う才色兼備の依理と葉から漫才トリオに誘われた平凡なゆな。何故、優等生の2人が漫才を⁉︎単なる青春ものかと思ったら違った。依理も葉もゆなも屈託無さそうに見えるけれどそれぞれ重い悩みを抱えている。でも3人ともそこから逃げずに前を向いて歩いていて、その姿がキラキラしていて眩しいほど。「怒ってる人と同じ様に怒っても怒ってるのが増えるだけやから一緒に怒ったりしたらあかんよ」半身不随になったゆなのお母さんの言葉が要の様に思える小説でした。
2023/08/24
nyanco
カワイイ装丁と、女子高生3人が漫才トリオ、ドジっ子一人に美人が二人…なんだか少女漫画にありがちな設定だな~と感じながら読み始めました。ゆるキャラのゆながど~にも苦手で漫才のシナリオの部分では何が面白いのん?こりゃ私には合わないな、と読むのを諦めかけました。でも、不思議ちゃんが登場することが多い東さんの作品だから…と、な~んとなくダラダラ読み進めたら…、じわじわ~と彼女達の家族背景が見えてきて物語の真髄が見えてきました。続→
2012/05/18
そのぼん
三人の女の子がなぜか漫才トリオを組むことになって という感じの話でした。軽いタッチでさらっと読めましたか、少しインパクトに欠ける感じもしました。
2012/08/22
なゆ
〝トマト・ケチャップ・ス〟女子高生3人で作った漫才トリオの名前。なんだかほのぼの楽しそう~という手に取った時の印象とは違う、いろいろありすぎの重めのお話。それぞれ、家に帰ると問題を抱えてるのだ。でも決して暗くなくて、それこそが彼女たちの漫才と関西弁のおかげ。所どころに漫才の台本みたいのが挟まれている。楽しげな漫才の裏に、辛いこともやり過ごそうとする健気さが。最後はそれぞれの道を見つけられてよかった。印象に残った、ゆなの母の言葉〝怒ってる人には、ただただ優しくするんやで。怒ってた人の気ぃが抜けていくから〟。
2013/08/27
のほほん@灯れ松明の火
今日マチ子さんの表紙から、勝手に「吉野北高校図書委員会」みたいな話を想像していたので、思いがけない重い内容にとまどってしまいました。家庭環境、親との関わり合い方、抱えているものは三人三様ですけど、その闇のようなものが、ところどころに入るトマト・ケチャップ・スのゆるーい漫才で、よけいに辛く、切ないものに感じました。内容は重いのに、終始淡々とした関西弁の文章で、スッと終ってしまった様なそんな読後感でした。
2012/08/01
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