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叛鬼

叛鬼

叛鬼

作家
伊東潤
出版社
講談社
発売日
2012-05-01
ISBN
9784062176163
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叛鬼 / 感想・レビュー

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もりやまたけよし

北条早雲がやってくる前の関東の半世紀の騒乱の話だった。主人公の長尾春景だけでなくほとんど知らない人ばっかり。しかも似たような名前が多く、関東管領やら公方の違いも難しい。長尾さんは管領の家宰だったのね。狭いところで土地や地位の奪い合いをして大変だったことはよく分かった。

2020/10/26

キムチ

かつて南條氏の「灯台鬼」を読んだ時が浮かび上がった。テーマも時代も全く異なるが。ただ、主人公の風貌が景春と酷似しているような気持がする。戦国時代は街道中、家々門々にらみ合い、際限知らず。関東すべからく騒乱の火種が散らばっている…景春の度量の狭さは彼一人に限ったことであるまい。騒乱、戦国の非常時にはよく出現するであろう人間性かと思った。伊東さんにしては珍しく気持ち鬱屈限りなしの作品。ここまでドツボダークだから、冬景色によく合っていた。

2018/01/25

藤枝梅安

真保裕一さんの「天魔ゆく空」の主人公・細川政元が京都で将軍家との駆け引きをしていた時代。関東では関東管領と古河公方とが権力争いに明け暮れていた。管領上杉家の家臣・長尾景春は新しい管領・顕定の力量を見限り、独立する道を選ぶ。兄のように慕う太田道灌とも敵味方となり、負け戦が続き、放浪の末、伊勢新九郎(のちの北条早雲)に助けられ再起を期す。嫡子・景英は顕定に取り立てられ重臣となっていく。友だけでなく嫡子までをも敵に回す波乱に満ちた生涯を史実を中心に丹念に描いている。小説というよりは解説本の趣。(コメントに続く)

2012/11/29

onasu

応仁の乱が起こった頃から、北条早雲が相模へ侵攻し始めた辺りまで、15世紀中盤より約半世紀の関東。最近、興味が湧いていたところで、満足度上々です。  叛鬼と称されるは、山内上杉家宰の嫡男白井長尾景春。越後上杉家より迎えた主家の後継ぎと反目した結果、出奔、天命を信じ、関東で下剋上のさきがけと…。て、帯にはあるのですが、図らずも、兄と慕う大田道灌と刃を交わし、連戦連敗。道灌、切れ過ぎで、周囲の愚将に激怒ばっかり。  負け戦から学んで、と言っても、犠牲多過ぎ。それにしても、この期の関東は、戦続きの酷い土地柄です。

2012/07/05

関東管領・山内上杉家家宰長尾景春の波乱に満ちた一代記。越後より迎え入れられた当主上杉顕定との確執、そしてこの時代に叛旗を翻すも太田道灌の計略により再三に渡り敗れ、領土を失い、妻子とも生き別れ。度重なる戦の敗因が「私怨」によるものである反面、景春が「鬼」となるまで支えたのも顕定への「私怨」だった。この時代は日本史でもあまり習った記憶がなく、「応仁の乱」の次は群雄割拠の時代にすっ飛んだ気がする。なので、全くと言っていいほど知らなかったが、こんな物語があったとは。十分楽しめたけど、登場人物が多く、背景が複雑。

2014/11/08

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