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K / 感想・レビュー
あつひめ
夫婦って…生きる同志なんだと改めて感じた。男性の立場で家庭と家族、妻を振り返る。なんともビックリするような性格のお嫁さんだと苦笑いしてしまったけど、育ちはやはりその人の人格を作り上げるものなのだと思うと私はこれから先嫁、妻、母として大丈夫だろうかと心配になった。しっかりものの作者が愛する妻を看取ってよかったのかも。逆だと大変だ。体がだんだん自由が利かなくなる時、思い出だけは走馬灯のように浮かんでくるのかも。久々に夫婦の良さを感じた1冊。
2014/03/17
harass
『震える舌』経由で。著者の亡くなった妻についての回想録。一九五八年ごろの二人の出会いからの生活を淡々と描いていく。二〇年ほど著者は別居生活をしていたそうだ。理解し難い性格をしていた妻で著者は困っている。ATM状態が続いていてよくこういうのに耐え切れたものだと感心し呆れる。妻の癌が発覚して同居生活に。妻との付き合いは、著者の小心さもあるが諦観めいた心情があるようで、ほのかに妻への愛が滲んでいるように思える。結婚生活について『結婚失格』と偶然に続けて読んでしまったがいろいろ考えさせられた。図書館本。
2016/09/05
安南
作家とその妻や芸術家夫婦の私小説、評伝は興味深い。夫の詩的ミューズたり得る情熱的悪妻⁉には魅力を感じるが、妻Kの悪妻ぶりの描写には共感や興味をまるで感じない。別居ウン十年、会うのは年に一度晦日ばかりとは、どうも妻というより遠い親戚か昔の女のようだ。淡々とした語り口で綴られたあくまでも他者としての妻の姿。ときにユーモアを交え、最期を看取る話でここまで涙と無縁の小説も珍しい。この世界観を味わうには、未だわたしは未熟すぎる。ラストのカフェラテの味はなんともふてぶてしくて…苦い。
2013/08/03
阿呆った(旧・ことうら)
神経症的で少しぶっ飛んだ詩人である妻との回想録
2016/01/13
かりん
初読み作家さん。特殊な夫婦関係・・・。だけど、当事者にしか分からない事が多々あり、互いに必要な存在で、表には見えないが愛が感じられる作品に思う。
2015/06/08
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