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日御子

日御子

日御子

作家
帚木蓬生
出版社
講談社
発売日
2012-05-01
ISBN
9784062176774
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日御子 / 感想・レビュー

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ケイ

この中の邪摩大国は邪馬台国であろうから、時代は一世紀くらいから卑弥呼の時代までだろう。舞台は九州北部。たくさんのクニがあでた。大陸の言葉と和語の通訳としての知識を代々身につける「あずみ」一族。彼らが代々使えた国の王を子孫に口承していくことで、歴史が語られる。創作の部分も多いと思われるが、鉄や銅、稲作の技術についての当時の大陸と日本の技術の差がよくわかる。

2020/11/22

NAO

金印で有名な倭の那の国を舞台とし、通訳を専門職とする「使譯」という家柄の者たちを主人公とした話。この作品の一番のポイントは、この使譯の一族が代々語り伝え、守り続けている三つの教え。祖父から孫へ。父から娘へ。祖母から孫娘へ。叔母から甥へ。父から息子へ。何度も何度もその三つの教えが繰り返し語られる。炎女からその教えを聞かされた日御子は、自らもそれを実践した。「争い、人を裏切ると天からその姿が見えなくなってしまう」と何度も繰り返されるこの言葉は、今の私たちに向かっての警告のようだ。

2019/06/11

再び読書

卑弥呼(日御子)の話と思ったら使驛のお話でした。確かに使驛を主体としたタイトルはつけにくいのかも、しれませんが少しスッキリしない。那国、伊都国、弥摩大国と支える国は変わるが、あずみの教えを子々孫々と受け継いでいく。求奈国は弥摩大国に対して敵対意識を持ったままだったが、最後に希望を持って終わる。仕事と仕事の合間に骨休みがある。というのは理想であるが、どこまで続けられるものだろうかと少し疑問を感じる。丁度中国史でも、ある程度知っている時代なので、その関係は面白かった。今邪馬台国の場所はどこが正解?

2017/03/11

紫陽花

本年初作品。「漢委奴国王」の金印で有名な奴国、邪馬台国の卑弥呼(本作品では弥摩大国の日御子と表現しています。)の時代の話。当時の日本には独自の文字はなく、大陸と交流をしていくには「使えき」と言われる通訳の存在が重要であり、その使えき一族の話。一族には①人を裏切らない、②人を恨まず、戦いを挑まない、③良い習慣は才能を超える、という3つの教えがあり、代々何百年に渡って教えを守り、争いのない国造りに貢献したという内容でした。馴染みの薄い時代背景。500ページを超える作品とあって、読むのに苦戦しました。

2019/01/07

藤枝梅安

現在の九州北部の「弥摩大国」の女王・日御子を中心として描かれた壮大な歴史ロマン。大陸から渡って来た「あずみ」という一族が使驛(通訳)として各地に散らばり、それぞれの国で働いている。「あずみ」一族に国境はない。「人を裏切らない。人を恨まず、争わない。良い習慣は才能を超える。」という3つの教えが子々孫々に伝えられ、国王である日御子もそれに従って国を治めた。大陸に朝貢に随行する「あずみ」一族は現地の役人とも交流を深めていく。日御子の崩御の後、国難が迫るところで物語は突然終わる。

2012/07/05

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