西海の虎: 清正を破った男
西海の虎: 清正を破った男 / 感想・レビュー
なゆ
戦国時代、九州の武将が信長・秀吉の脅威に何を思いどう動いたのかが気になってるので、読んでみた。肥後の赤井城主木山弾正惟久が、島津軍に追われ妻子らと共に天草に落ち延びるところから始まる。この時代の武将にしては、討ち死により家族を守ることが第一というから珍しい。天草の義兄天草種元の客将として、九州国分ののち天草のために戦うことになる弾正。結末は読む前からわかっているが、木山弾正という一武将の苦悩しながらの生き様、加藤清正との一騎打ちではあと一歩まで追い詰める戦いぶり(28ページにも及ぶ死闘)は読み応えあった。
2014/09/05
kawa
エンタメ戦国小説。時は秀吉の九州制圧後、主人公は天草の客将・木山弾正。豊臣支配の強権弾圧に反発の天草の国人たち。それはやがて、戦国の世では珍しい加藤清正と弾正の大将同士の一騎打ちに発展。読み手フレンドリーとも思わされるフィクションを多用だが、この一騎打ちは一瞬に終わったの記録も。サクサクと読み込めるのだが読後に残る部分があまりないところが残念。木山弾正を巡る史資は、司馬遼太郎「街道をゆく17」の「木山弾正」以下に詳述されている。こちらを読みながら本書に臨むと興趣がアップで立体感が増幅する。(図書館除籍本)
2024/11/23
きんてつ
木山弾正惟久vs加藤清正 息詰まる一騎討ち。息詰まる 一言です。面白かった。
2015/05/04
Tomokazu Kumada
九州は肥後の一豪族「木山弾正惟久」の居城に攻めてきた島津の大軍に戦の敗けを悟った弾正は、妻の「お京」と息子の「五郎」を逃す為、城を取り囲む島津の包囲網を突破し殿を務めながら妻子を逃し、己も妻の兄「天草種元」がいる天草へと落ち延びます。家族を守る為に武士の意地や城を棄てる事を選んだ弾正は、己とは真逆のただひたすら武士として武功をたてる為に戦い続ける武将「加藤清正」と出会います。武士としての互いの信念と意地がぶつかる時、槍対槍・拳と拳の壮絶な一騎討ちが始まります。「木山弾正惟久」の武士としての生き様に涙せよ。
2012/12/20
まー
豊臣秀吉が天下をとった戦国時代の九州、舞台は天草。肥後の木山弾正惟久は城を捨て、逃げて天草の義兄の客将となり生き恥をさらしてまでも、自分の妻と子、そして家臣を守ろうとする。だが武士とは城を枕に討死を覚悟して最後まで戦うものではないのか?夫として父として武士として、悩み葛藤する惟久。そこへ宿敵加藤清正が現れて・・・最後の一騎打ちは緊迫感がすごく武士の生き様を見せつけられた感じでした。
2014/12/15
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