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悪魔の右手

悪魔の右手

悪魔の右手

作家
ポール・ホフマン
金原瑞人
井上里
出版社
講談社
発売日
2012-07-18
ISBN
9784062178327
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悪魔の右手 / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

 第二作はケイルの関わる二つの戦闘と、密かに教皇を目指すボスコの戦いを中心に展開。最初は同じだった道が次第に離れてゆく少年ジュブナイルの定番的展開。奇跡的に、もっとも人並みの幸せを見つけられたかに見えたクライスト、修道舎時代から彼の親友に近かったにも関わらず、権力をほしいままにするケイルに怖れを抱くヘンリ、夢の中でも白鳥を殺す(アルベルの異名がスワンネック=白鳥)くらい彼女を憎んでいるにもかかわらず、どこかで「あの裏切りは仕方なかったんだと云ってほしい」と願っているケイル。それぞれの愛と葛藤が痛々しい。

2014/11/17

naonchi

シリーズ2作目。相変わらず、持ち運ぶのも寝転がって読むのも不便なサイズ。これ出張に持っていくモバイルと同じ重さやないの?訳者の金原さん曰く「じつに好みの世界で、じつに暗い。設定も暗いし、展開も暗い」夏休みに読むサイズだけど、内容は夏らしくないねんな(笑)更に「読者の予想と期待をあっさり裏切る展開のすごさ」とも。YAにありがちな予定調和が皆無です、展開読めなさ過ぎ。素敵過ぎます、ホフマンさん。願わくば早めに次作を出して下さいませね。

2012/08/08

tom

「世界の破滅に向かってすべての信者は殉教者になる。」ということを宗旨にしているキリスト教分派の世界観を中心に据えたダークファンタジー。暴力に対する価値観、女性の位置づけなど、ファンタジーというのは、こうでなくっちゃと思わせる物語構造。とても面白い。ただし、全三作で、この本は2作目。後書きによると、3作目は執筆中とのこと。3作目が出版されたときには、この本の内容は、私の脳みそから雲散霧消。読んだことも忘れて、3作目が出たことに気づかないかも。これが大問題です。

2013/02/26

木曽のあばら屋

ダークで暗くて(同じじゃ)、ヘヴィで重くて(だから同じじゃ)、気が滅入りそうになる・・・と思いきや今回も超面白かった! 暴力的で破壊的で残酷で汚濁に満ち、しかも卑劣。どうしようもない物語ですが、なぜかページを繰る手が止まりません。ケイルは、メシア・ボスコによりメシア軍を率いる司令官に任命され、水を得た魚のごとく、殺して殺して殺しまくります。メシア・ボスコの真の目的も最後のほうで明らかになり、 「なに考えてるんだ、こいつら・・・」と絶句せずにはいられません。不思議なパワーを持ったダーク・エンタテインメント。

2012/10/23

ぽけっとももんが

それはもうたくさんの人が死ぬし、陰々滅々とした長い物語は中盤へ。ケイルは結局流されてばかりで、何も求めていないのだ。愛も安らぎも富も。この物語はどこに向けて収束するのか、次で見届けることができる。

2017/10/27

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