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短篇五芒星

短篇五芒星

短篇五芒星

作家
舞城王太郎
出版社
講談社
発売日
2012-07-01
ISBN
9784062179096
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短篇五芒星 / 感想・レビュー

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yoshida

唯一無二。舞城王太郎の短編集。予想だにしない感性と展開。独特のテンポから繰り出される誰にも真似の出来ないストーリーに唸る。舞城王太郎の作品でも読みやすいと思う。短編五編。どの短編も好みである。「アユの嫁」の発想と読ませる力に感嘆する。「あうだうだう」の恐ろしさ。「美しい馬の地」での主人公の執着と展開の妙。舞城王太郎の世界は唯一無二であると思う。発想と独特のテンポが生む爽快感に私は一気に作品を読了してしまう。油断すると置いていかれる急展開は、繰り返し作品を読む楽しさと理解の深化を与えてくれる。他作も読もう。

2018/03/16

てち

世界の理不尽にどう対処するかという問いが本作のテーマである。私は「美しい馬の地が」が印象に残った。流産に怒りの気持ちを抱き、必要以上に妄執している主人公。次第に彼は周りの人間とズレ始める。 人のために何かをしたいと思ってしたことも、他者から見たら自己満足にすぎないのかもしれない。

2021/08/24

風眠

『美しい馬の地』『アユの嫁』『四点リレー』『バーベル・ザ・バーバリアン』そして『あうだうだう』という五篇の短篇集。どの話もバラバラで、一つ一つ独立した物語のようであるが、そのどれもが「衝動」という線でつながっているようにも思う。魔術的な意味では「人間」を表しているといわれる五芒星。人間の寂しさ、滑稽さ、凶暴さ、悪ふざけには、時に魔力を引き寄せてしまうエネルギーがあるのかもしれない。点から点へ衝動のままに、思わぬ方向に人生が進んでいるように見えて、実は一筆書きの線の上という読み方は、ひねくれ過ぎだろうか。

2013/06/06

あも

美しい馬の地/アユの嫁/四点リレー/バーベル・ザ・バーバリアン/あうだうだう、の五芒星。単行本は発売日に購入、再読もしているが、重ねて文庫を購入。これは現代日本のフォークロアだ。舞城の言葉はいつどこで開いても、頭ではなく心だとか魂といった抽象的な概念でしか言い様のない場所にずんずんと遠慮も無く染み込んでくる。過剰な暴力も性描写も怪異も、その表裏にある生きること、愛することを際立たせるためのガジェットに過ぎない。だからその物語は時に脈絡さえ越えて、ぎゅっと心を掴むのだ。ある種の切実さと真摯さを持って。強く。

2012/07/17

Akihiko @ VL

舞城王太郎さん初読。視聴率度外視のシュールなショートギャグアニメを観ているような感覚だった。最初から最後まで「こいつを面白いかそうじゃないかを決めるのはお前らじゃなくてこの俺だ」と筆者に胸倉を掴まれていた気がする。多様化したメタファーが多く用いられている為、読書慣れしていないとどんどん置いてけぼりを食らう寸法だ。個人的には三崎亜記さんのような作風だと想像していたのだが、こちらはかなり純文学に寄っている。同じ奇想天外でもまるで別次元の世界観だった。

2018/03/14

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