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佐渡の三人

佐渡の三人

佐渡の三人

作家
長嶋有
出版社
講談社
発売日
2012-09-01
ISBN
9784062179935
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ジャンル

佐渡の三人 / 感想・レビュー

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モルク

連作短編集4話。作家をしている女性が、親戚の「隣のおばちゃん」の納骨をするため父と弟と共に佐渡へ…という「佐渡の三人」に始まり、祖父、隣のおじちゃんと、祖母と3度納骨で佐渡に渡ることとなる。祖父には50も年下の愛人がおりヘルパーとして祖母も隣で寝ている家にやって来ていたとか、なぜに隣のおばちゃんの納骨が夫や子じゃないのかなど?となるが読んでいるとそんなことどうでもいいと思うようになる。大きなことが起こるわけではないがユーモアもあり好みの作品。祖父母の介護をしていた引きこもりの弟がいい味を出している。

2020/12/17

りゅう☆

親戚の隣のおばちゃんが亡くなり、祖父母を介護中の引きこもり弟と父と道子3人で佐渡に納骨へ。仲は悪くはないが少し距離を感じる家族。でも居心地が悪い風でもない。そして祖父、大叔父、祖母が亡くなり佐渡へ納骨に。亡くなった身内は大往生だし、特に凄いことがあるとかもない。不思議な親戚関係だったり、個性的であったり、時事ネタがあったり、ちょっとした名場面をネタにしたり。『佐渡の三人』というエッセイを書いた道子。そう、これはまさにエッセイ。深く考えず読むにはいいかも?弟よ、ちゃんとお風呂に入ればもっと株が上がるのにな。

2022/07/07

chimako

この話は言うなれば「納骨行のロードムービー」何だか不謹慎な雰囲気。納骨の舞台は佐渡。そして、何度も登場する「曽我さん」拉致されたあの曽我さんである。所々、思い掛けない場面で曽我さんの名前が出る。隣のおばちゃんの納骨、祖父の納骨、おじちゃんと祖母の納骨と都合三回の佐渡行き。主人公である私(道子)は全てに出席。何とも浮き世離れした一族の日常も描かれてる。悲しいはずの今生の別れも長嶋有にかかると憂いを含みながらも正に“含み笑い”で締められる。おかしな人たちだけど好きだなぁ。お坊さんの一言にもニンマリだった。

2015/05/16

なゆ

一族の墓がある佐渡への納骨の旅。大叔父の妻である「隣のおばちゃん」のお骨と、道子&離れて暮らす父&祖父母宅でひきこもりの弟の三人の珍道中。誰かが亡くなり納骨、という話でありながら、クスッと笑えてしまう。 祖父母の介護にひきこもり、という内容でもゆるーいユーモアで包まれて重い感じにならないのが新鮮。世間一般的にはいろいろ問題ありのこの一族も、絶妙なバランスでうまく保たれている楽しさ。でも、ひとりずつ欠けていきそういうわけにもいかない今後が気になる。題字のインパクト強いな~と思ったら、アラーキーでしたか。

2014/03/18

ケンケン

『ねたあとに』に続き、今作も納骨・葬式といったテーマなのにも関わらず、ユルい独特な雰囲気を出しており面白かったです!“隠しキャラ”や“ボーナス面のキャラ”といった表現が、ゲーム世代だからか変に的を射ているように思いました。主人公の心の声・ツッコミそして、弟の発言・律儀な敬語で、ニヤリとさせてもらいました♪ 最後、現実のビターな面もちゃんと描かれており、期待通りの良い作品でした〜次回作も楽しみだ!!

2012/11/08

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