ぬけまいる
ぬけまいる / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
刊行順に『すかたん』→『ぬけまいる』この展開は順当すぎて肩透かし感すらある。しかし『ぬけまいる』→『恋歌』は大化けとしか言いようが無い。お以乃・お志花・お蝶。娘時代は土地のごろつきを相手に一歩も引かぬ、町娘たちの憧れ‐その名前から《馬喰町の猪鹿蝶》と呼ばれた3人娘も28歳。それぞれに鬱屈を抱え「こんなはずじゃなかった」としょぼくれ気味。店の客から聞いたお伊勢詣り‐柄杓片手の抜け詣りに猪鹿蝶の血が騒ぎ、誰にも告げず出立する3人。猪鹿蝶のネーミングと、奉公人が主体だった抜け詣りに女3人を旅立たせる設定は→
2014/04/24
藤枝梅安
楽しく読みました。三十路過ぎた3人の幼馴染。わかりやすい人物設定で九つの章立て。章ごとに視点が変わる趣向。突然伊勢に抜け参りに出かけることなった三人は人助けをしたり人に助けられたりしながら東海道を進む。小田原宿はずれの団子屋、島田宿の小間物屋など、エピソードの中で突然出かけた経緯が次第に明らかになる。この作家らしく、植物の話や歌舞伎の話が出てくる。七代目團十郎、清水次郎長なども登場し、細かなことは省いた痛快娯楽ドラマという雰囲気。固いことを言わずに楽しんで読みましょう。と作者が読者に言ってる感じ。
2014/02/14
きりこ
まかてさんの作品は外れがないです。今回は幼なじみの3人の女性が唐突に伊勢まいりに出かける。次々色々な事件に巻き込まれるのは女性版東海道中膝栗毛と言った感じ。3人それぞれの得意技で力を合わせて乗り越えていく話は痛快で面白かったです。任侠物っぽい話の所はまかてさんにしては意外な感じがしましたが、朝顔の話はまかてさんらしい。志花が凛々しくて一番好き。以乃の恋話の行方が気になり、団子屋さんを助ける人情話は温かい気持になれました。江戸に帰る3人の幸多かれと祈ります。
2014/12/31
みち
面白かった。この三人のように、何か理由や逃げ出したいことがあるわけじゃないけど、私も突発的に旅に出たくなった。お伊勢参りに行こうかな。
2016/11/04
Shinji Hyodo
女三人のお伊勢参り…ったって、無一文で柄杓一つ持って素寒貧の『抜け参り』。幼馴染の お以乃、お志花、お蝶、の三人娘が揃えば 泣く子も黙る『猪鹿蝶』。このお三方がやらかす旅の道中のつまらぬはずはない。表紙のイラストを見るだに何だか読メの読友のあの人やこの人が思い浮かんで…お以乃はあの人(^^)お志花はこの人、ははん…て事はお蝶はくまwwなんてこと思い浮かべながら、初「 まかて」さんでした。
2015/12/23
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