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満月ケチャップライス

満月ケチャップライス

満月ケチャップライス

作家
朱川湊人
出版社
講談社
発売日
2012-10-01
ISBN
9784062180122
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満月ケチャップライス / 感想・レビュー

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kishikan

う~ん、タイトルと表紙絵に魅せられたんだけど。ちょっと期待しすぎたなぁ。心優しい中学生進也君と事故で足を悪くした亜由美ちゃんの兄妹、一風変わった母という3人家族に超能力を持つモヒカンのチキさんが居候、という面白い設定。そして様々な心の傷を背負う兄妹がチキさんとの関わりの中で成長していく姿が微笑ましい。折々にチキさんが作る手抜きだけど美味しそうな料理(満月ケチャップライスもそう)も魅力的。でも、朱川さんにしちゃ今回はいろんな要素を詰め込み過ぎ。それにこのような話に実際の事件を織り込むのはマイナス効果ですよ。

2013/02/17

ちはや@灯れ松明の火

幸せな家にはいつもきれいなタオルと新しい卵がある、それに食卓を囲む笑い声があれば文句なし。母子家庭の兄妹の元にやってきたメリー・ポピンズは料理上手なモヒカン男。皿の上で輝く満月みたいなオムライス、いただきます、おいしくて楽しくてうれしくて、でも月はどんどん欠けていく。どこからやり直せばずっと一緒にいられたのかな。スプーン曲げ、覚醒剤、富士山麓にオウム啼く。なんでもできるのに、どうして自分のことだけは幸せにできないんだろう。きれいなタオルも新しい卵もある幸せなはずの家族、それでも、ここにはあなたがいない。

2013/03/02

紫 綺

先が気になり、ぐいぐい読んでしまった。本物の超能力者が出てくるのは、ちょいと興覚めだが・・・しかも世間を騒がせたあの教団が出てくるのも・・・。オチにはちょっとがっかりだけど、まあ楽しめたかな。チキが作る簡単レシピが、楽しそうで美味しそう♪ここのところ、シングルマザーものが続いているのは偶然だろうか?

2013/12/08

ひめありす@灯れ松明の火

ただちょっぴり砂糖があるだけで、苦い薬も飲めるのよ、とメリーポピンズは歌い、本当に幸せな家庭は白い清潔なタオルと卵がいつもある事だ、とチキさんは笑う。超能力も、白装束の不気味な集団も、僕らの日々ではおまけだった。大切なのは家と学校と公園と、チキさんのホームセンター。小さな範囲の小さな出来事だけで僕らの生活は満たされていた。いつか家族になって、僕らは幸福に満たされていくはずなのに。どうしてかな、満月のケチャップライスみたいに少しずつ終わりを感じちゃうんだ。お腹の中に満ちていく優しさ、もっともっと欲しいのに。

2013/03/26

財布にジャック

白朱川のように見せかけてありますが、実は黒なのではないかと考え込んでしまいました。よい話なのか嫌な話なのか、読む人によって変わってくると思います。でも、出来すぎた主人公の少年と、お料理上手な謎の人物チキさんの魅力で、飽きることなく楽しめました。チキさんが姿を消してから具体的にどんなことになったのかは想像に任せられていますが、あの教団絡みのお話なのでぞっとさせられます。あの事件を知らない少年少女が読んだらどんな感想を持つのかなぁと心配になりますが、重いテーマに挑んだ朱川さんには頭が下がります。

2012/12/28

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