喧嘩猿
喧嘩猿 / 感想・レビュー
chimako
後に清水の次郎長の乾兒(こぶん)となり有名になった森ノ石松。元の名を捨吉。この物語の主人公である。そこに絡むは甲州の博徒、竹居ノ吃安、黒駒ノ勝蔵、勝沼ノ祐天。馴染みのある地名と地元のやくざ。リズムのある文体は講談を聴くような心持ち。命知らずのならず者とは言え、それぞれに博徒としての矜持もありゆずれない男気もある。まだ小僧の森ノ石松が気持ちのままに大暴れする様は読んでいてハラハラする。漢字の使い方が粋で「なるほどそう書くのか」とふりがなに得心することしばしば。切った張ったは苦手だがなかなかに面白かった。
2021/02/16
ユザキ部長
よく読めた。自分自身に驚きです。ほぼ勢いだけで読んだだけ。感想として、好きな人は好きだろうね。のみ。
2017/10/11
うなぎいぬ
超気持ちいいっ!! 木内さん初の時代物。16歳の捨吉が石松という名前を手に入れたその日から1週間位の話です。出てくる男達がとにかく魅力的。石松はもちろん、今までただの悪役としてしか読んだ事のない吃安や勝蔵、祐天の活き活きした人間臭い姿に感動。喜之助・亀吉兄弟も男前です。全編に渡って名台詞がてんこ盛り。旧漢字とルビだらけなのに、この読みやすさは何なんだ? 時代感を盛り上げてくれます。[結]で各々の人生を重く受けとめながらも最後の4行でまた痺れる。さすがに巻末の[所感を述ぶ]は昭和初期の文だけにスラスラ…と
2013/07/29
chikara
面白かったです! さすがは木内氏の作品で、引き込むパワーは圧倒的で、痛快極まりないです。 勧善懲悪だけど、悪者と思えた人がたったの一言で善者に変わり、善悪の区別がつきにくい。 男の憧れる意地と仁義のストーリーですね。
2014/03/26
ポチ
清水次郎長の子分になる前の森の石松。リズム感、スピード感に溢れた講談調の文章に惹き込まれ一気読みでした。石松がたまらなく気持ちのいい漢ですね。
2022/05/31
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