誰も戦争を教えてくれなかった
誰も戦争を教えてくれなかった / 感想・レビュー
扉のこちら側
初読。2014年295冊め。「あの戦争」とは違った形で起きるかもしれない戦争。戦争も災害も楽しくない。けれど、それを遠くから、距離的にも時間的にも、遠くから眺める時の、瘡蓋を剥がすような暗い疼きは否定できなくはない。知りたいという、本のページを繰る時の心の奥で、私は何を考えているのだろう。読みながら、ふとした思考の隙間に考える。
2014/04/06
ヒデミン@もも
確かにこの装丁は素敵。古市憲寿さんはテレビの報道番組では早口にクールな意見を話すイメージ。鋭い観察眼と瑞々しい感性で、現代の若者たちの心情を描写する朝井リョウさんと似ている。でも文中『僕たち』と称するのが気になった。死を身近に感じることがない僕たちにとってはアウシュビッツやザクセンハウゼンが楽しい。戦争の楽しさと似ている。そんな風にワザと書いているのかもしれないけれど、今の若者ではない私には不愉快だ。『僕』個人の意見として述べてほしい。確かにきちんとこの本を読んでないけど、読んだフリをしたい場合ってね。
2015/06/17
いずむ
日本の戦争教育は、戦争”被害”教育だと思う。沖縄、広島、長崎、東京。きっと凄絶な光景だったのだろう。しかし、”撃たれる前に撃った”日本。何を考え何をしたのか、ボクは無知に等しい。教えられた記憶もないし、きっとボクの両親も知らない。「戦争はいけない」というコトに対して、日本人全体があまりに無関心なのだと思う。殺し合いを肯定するワケじゃない。ただ、日本人が語る反戦の論理は、いつだって”被害者”のそれだ。風化させたくないものは、いったい何なのか。ボクは、殴られた傷痕より、殴った拳の痛みを、もっと知りたいと思う。
2013/09/01
mai
日本国内の戦時中の話をメインにかかれているのかと思い、図書館にて借りてみました。が、世界の戦争の博物館を巡る旅のような内容でした。ちょっと期待はずれでしたが、勉強になりました。
2017/09/05
壱萬参仟縁
内向き、草食系、と評される若者だが、 そんなことはない。 脚注豊富だから学術書であろう。 戦争博物館は、博物館という日常と 戦争という非日常の結節点に存在(15頁)。 脚注20にあるように、 書評をする者からすれば自戒を求める辺りは、 上野教育の成果であろうか。 戦争博物館はすぐれて政治的な場所(25頁)。 戦争は楽しい(31頁)。 これは間違っている。 人が死んで楽しいなんていうのは非常識であろう。 戦争に興味がなかったとも書いてある(37頁)。 そういう問題でもない。
2014/03/31
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