うつ病放浪記 絶望をこえて生きる
うつ病放浪記 絶望をこえて生きる / 感想・レビュー
yoshida
ノンフィクション作家が自身のうつ病体験を記し、うつ病を発症した人々や、精神科医へのインタビューにより、うつ病の現実と患者への偏見を無くすように出版された作品。患者の話しが生々しく多様なケースがある。やはり、信頼できる医師を見つけ投薬を受け休養することが肝要と感じた。うつ病患者への差別は切実に感じた。完治して数年経たないと保険に入れない。そのため住宅ローンも組めない。メンタルが弱いと出世に響く。現実です。寛解しても再発率が高い。上手く付き合う必要のある病気。この作品がうつ病の啓蒙に繋がれば良いと思う。
2016/06/27
harass
長年体調不良に悩まされ病院巡りをしていた著者は2011年にうつ病と診断された。あり得ないと思う著者は反発するのだが…… 一般的になりやすいとされる性格とは間逆な著者でこの病にかかった困惑。続けて読んだ柳美里もうつに悩まされていた。ちょっと前に読んだ高野秀行の腰痛も結局は精神的な問題だとあった。様々な医者と出会い、理不尽な社会の対応に悩み、うつ病と診断された一般人に取材し、巡り会えた医師との対談などを収録。余計な情報よりも合った医師に出会えるかどうかと、著者。良書。
2020/12/04
奥澤啓
闘病記の類は無数にあってジャンルといえる。専門にあつかう古書店もあると聞く。著者は高名なノンフィクション作家である。鬱病発症から医者さがし。薬の種類や効果。主治医とのやりとり。著者以外の体験も語られる。NHKの「あさイチ」などが、鬱病などの精神失患を知ってもらおうという番組を積極的に放送しているため、だいぶ、理解されるようになってはいるものの偏見を持つ人も多いらしい。体験記の中で、自殺を考えた人の、「死にたいのではない、生きられないから死にたいのだ」という言葉には、切実な実感がこもっていると思った。
2014/12/23
barabara
お化けシリーズで好きになったおばちゃんノンフィクション作家のうつ病発生から病院難民〜お薬関係、果ては様々な方のうつ病レポートまで事細かに載せているのは流石のノンフィクション作家!今回も内容とは間逆の流暢な文体であっという間に読破。うつ病はまだまだ日本では認知されない差別される病…なるほど。これだけ珍しくない病なのに生きていくのに困難な場面で確実に差別されるのは如何なものかと筆者は訴える。なったらまずはお薬で症状を寛解、その後にカウンセリングなんだね。信頼できる医者に出会えたからこその作品。
2015/05/29
なにょう
うつ病なんてかんけーないもん、思ってた。読んで認識を改めた。誰でも発病の可能性がある。★うつ病経験者の体験談も。読んでたら、そりゃ頑張りすぎだよ、それで報われなかったら病気にもなるよ。お休みしなさいってことだよ、って思った。頑張るのも大切だけど休むのも大切だ。★工藤さんは物書きの端くれと謙遜されるが、私は工藤さんの話しは面白いと思うから生きててくれて良かったと思った。
2018/08/05
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