歴史の温もり 安岡章太郎歴史文集
歴史の温もり 安岡章太郎歴史文集 / 感想・レビュー
こっこ
★★★★☆ 安岡氏の歴史文集。文の趣旨が分かり難く、話が前後したり脱線したりもするしまたある種の韜晦も感じられるが、それでも氏の「誠実さ」は疑い得ないように思う。時流に流されず大声で叫ぶでなく、「低い視座」から感情を殺した自身の体験を基調に歴史を語る。「自分だったらどうなのか。この安岡の自己への問いかけは、もしかしたらひどくナイーブなものかもしれない。しかし、それはあらゆる場面に徹底される。簡単なようで、意外にむずかしい姿勢である」(「解題」より)。歴史に対する感受性、それは私にも有るのだろうか。
2016/11/15
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