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存在しない小説

存在しない小説

存在しない小説

作家
いとうせいこう
出版社
講談社
発売日
2013-11-26
ISBN
9784062186834
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存在しない小説 / 感想・レビュー

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hiro

いとうせいこうさんの作品は『想像ラジオ』に続いて2冊目。6ヶ国の作家?がフィラデルフィア、ペルー辺境の村、クアラルンプール、東京、香港、クロアチアの浜辺を舞台に、書いた‘存在しない小説’6編を収録した短編集。人種・年齢・性別・宗教・住むところ・置かれている立場等がまったく違う6人を主人公にした小説を違和感なく書ける、いとうせいこうさんには、ただすごいと思う。クアラルンプールを舞台にした、イスラム教徒の11才の女の子が、大雨の中、異教徒のチャイナタウンに迷い込んでいまう『あたし』が、特に面白かった。

2014/03/01

いたろう

主に海外文学の翻訳小説風の文体で書かれた短編集だが、架空の小説家の書いた小説を架空の翻訳家が翻訳した「存在しない小説」として書かれている。実際にこの短編集は、世界の彼方此方を舞台にバラエティに富んでいてそれなりに面白い、と思う。それだけに、何故、そのまま発表せず、わざわざこんな面倒な設定を置いたのか少々理解に苦しむ。海外を舞台にした大仰な翻訳調の小説を書いてみたかったけど、そのまま発表することに照れがあった、ということなのかも。

2014/02/04

いちろく

紹介していただいた本。架空の著者が描いた設定による「存在しない小説」について、訳本として描く事でアプローチしていく6つの短編の物語。面白い試みがされている小説である事は解る。ただし、他との比較になるけれど、実験小説とカテゴリ分けする程前衛的とは思え無い。幻想文学とカテゴリ分けする程虚構的なモノも感じない。私にとっては、コトバ遊びというカテゴリが合いそう。ただし、初めて著者の本を手に取ったので、これだけで世界観や作風について、自分の中で印象づけるには足らない。著者の他の本も手に取りたいと思ったのは事実。

2018/07/02

Norico

各物語はそれぞれ面白く読めました。存在しない小説の「存在しない」定義とか、仮蜜柑氏はなぜ仮蜜柑て名前になったのか?も、いとうさんだし深い意味込めてるのかな?とか、考えだすとなにがなんだか分からなくなり…難しかった。というか半分も理解できてないんだろうなぁと思いながら読了

2016/04/22

八百

「想像ラジオ」に次いでせいこう氏2冊目、ノリがいい!とはこういう事を言うのだろうな的な企みに満ち満ちた短編集。ぶっちゃけ言ってしまえば世界文学のパロディ(揶揄を廃した正当の)なのであるがこの出来が素晴らしくそれだけでも十二分に楽しむことができる。しかしこの作品の醍醐味はあくまでも「存在しない小説」でありこのクリエイティブな命題に挑戦しないのは勿体無さすぎる。幸いにも随所に編者解説がありわかりやすくまとめられてはいるもののやはりこの実験のレヴェルは高度で…わかったふりをしておこうw。でも面白いですよこの本

2016/04/29

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