峠越え
峠越え / 感想・レビュー
ちょろこ
どうも、徳川家康です。趣味は鷹狩り、決して何かに秀でてるわけではありません…そんな自己紹介を添えたくなる一冊。人質から始まる家康の人生は峠の連続、ほんとうに逐一選択を迫られた人生であり、随所で今川家での太原雪斎の教えが頭を過り、彼を一歩ずつ創り上げたのかなとしみじみ。しかも決して驕る性格ではない、自分で自分を凡庸だと自覚しているところはドラマの家康像にも重なる。腹を割って話せる家臣との関係も良い。謎めいた本能寺の変、オセロゲームのような心掻き立てる想像という真相から伊賀越えまでをよく仕立て上げられた作品。
2023/01/12
ナイスネイチャ
図書館本。面白かった!!こんな仮説が思いつくとはと感心しながら、確かに信長にすれば今川、武田が滅びれば無用の存在であり、今後脅威になるのも確か。先見の明がある信長にすれば至極当然だなぁと。伊東潤さんかなりはまってます。
2014/07/11
そうたそ
★★★★☆ 「将軍」徳川家康を描いた作品は数多いと思うが、信長時代の家康を描いた作品はそれほどない気がする。マイナー武将を主役に据えることが多いイメージの伊東潤さんだが、今回は家康が主人公。信長や秀吉に比べると、家康は「天才」とはいえないかもしれない。しかしこれを読むと決して家康の人生とは順風満帆なものではなく、むしろタイトルにもある通り、幾度も幾度も峠を乗り越えてきた結果が後の江戸幕府を開くことに繋がったのかもしれない。本能寺の変に関する新解釈も面白い。伊東潤さんの歴史を見る目には度々脱帽する。
2014/04/22
hiace9000
いくつもの峠を越えてきた「凡庸なる天下人」徳川家康の三河凱旋までの半生を辿る。歴史小説読後、唸るように快哉を発することが多いが本作もまた然り! 苦難と忍辱の鎧を幾重にも纏いつつ、立ちはだかる眼前の切所を一つまた一つと切り抜け、辛くも命を長らえる家康。"手に汗握る""息もつかせぬ"をそのまま地で行く冴えた活写で、伊東潤の筆は描き切る。信長譚、秀吉譚、あるいは光秀譚に比べると日和見的武人の印象の強かった家康と、「本能寺の変」の驚くべき別解を用意した本作が面白くないはずがない。雪斎の兵法の含蓄にも学ぶこと大。
2021/11/24
BlueBerry
色々と面白い発想だったと思うけれど、やはり無理筋だなぁ」とゆーのが正直な読後感でした。そうは思いつつも歴史物は好きなので楽しく読めたと思います。
2014/03/07
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