僕の光輝く世界
僕の光輝く世界 / 感想・レビュー
BlueBerry
SF小説はあまり売れないと」愚痴まで本文で書かれているのでちょっと笑ってしまいました。そんなSF作家さんの推理小説ですね。やはりSF作家さんだけあって設定は興味深いし色々工夫されて頑張っている感じがよく現れていると思いました。若干空回りしている部分、設定が活かしきれていない部分もあったかと思いますがそれなりに纏まっていたと思います。序盤◎中盤○ラスト○
2014/05/10
さっとる◎
障害、イジメ、両親の不和、弱い者に対して抱く優越感、後ろめたい思いはしたくないけど面倒なものは背負いこみたくないという自分勝手さ。負のものをこれでもかと詰め込みながらも、人間はそれだけじゃない、様々ひっくるめて、肯定はしなくても立ち向かう。その目線に希望をもらう。光り輝く世界は、ちゃんと広がる。それが見えるかどうかは自分次第だ。
2017/08/13
だんたろう
ミステリではあるが、アントン症候群という病気があってこその内容で、社会派小説なのかとも思った。前半はまさしく社会派で、人間関係やイジメを描いている。後半は一転して謎解きだが、工夫がないというかあっさりしすぎている。こんな病気の存在を知っただけでも、読んだ意味があるという作品。
2015/01/20
イーダ
後頭葉に障害があるのに視覚に異常が無いってどういう事?と思いながら読んでいたらなるほど。アントン症候群というのは、絵の無い小説には相性の良い題材かもしれませんね。一人称の主人公の視線から描かれる世界は読者を混乱させると共に新鮮な世界観を生み出しています。ミステリーとしても面白い。夕ちゃんの見た目も主人公の視点のみでしか紹介されず、本人の「美少女じゃないですよ」という事でしか連想するしかないのですが、作中の彼女は、とてもかわいらしく見えます。
2015/08/02
美羽と花雲のハナシ
装丁の女の子が凄く可愛い。もしや、作者が甘々の青春小説を書いたのか。半信半疑のまま読み進めると、予想通りこれはただの青春小説ではない。SFだよ。アントン症候群。それは失明した人が罹ってしまう稀いなる症状。目以外の聴覚、嗅覚、触覚、味覚の情報を基に脳が勝手に映像を創り上げる。主人公は自分の脳に騙されている。設定が斬新過ぎる。でも、面白い。いや、待て、ミステリ要素も入っているぞ。ここに、脳の中の無意識に頼って謎解きをするNew名探偵の登場だ。その脳が見せてくれたのは、間違いだらけの、けれど光り輝く世界だった。
2014/06/07
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