カッコウの呼び声(下) 私立探偵コーモラン・ストライク
カッコウの呼び声(下) 私立探偵コーモラン・ストライク / 感想・レビュー
ちょろこ
じっくり味わえた一冊。もちろん真相に一歩ずつ近づいていく下巻。関係者に聞き取りをしていく過程はじっくりと誰もの怪しさを感じ、些細な証言一つが後々重要な事に繋がりそうな予感にワクワク感は止まらず。ストライクはとにかく鋭いというか、見逃しがちな細かい点を丁寧に掬い取りそれを推理に繋げていく手腕はお見事。もちろん秘書のロビンの機転も良かった。この真相には人の思いの蓄積の恐怖を感じる。確実に紐解いていく過程の面白さはもちろん、戦争、パパラッチ問題をさりげなく絡ませられ英国の雰囲気さえもじっくり味わえた作品。
2021/06/03
ケイ
まさに文字通り一気に読んだ。ミステリ好きにおすすめできる内容。この作家のリーダビリティの高さは本当にすごい。各章の冒頭に持ってこられた詩の意味や、あちこちの伏線など、二度読みしたら面白いだろう。ただ、訳者が私は好きではない。調べたら、コーンウェルの「検視官」シリーズが読みにくくなったと思ったら訳者が変わっていて納得したことがあったのだが、その読みにくい訳者だった。そもそも、タイトルにダメ出ししたくなる。この人の英語は読みやすいと思うから次の作品が出たら、英語で読もうかな。
2016/02/25
Rin
[借本]静かに冷静に、少しずつ不可解な点が表れてくる。派手さはないけれど、地道に前に進んでいく調査。登場人物はやっぱり多くて一覧表が手放せない読書だったけれど、下巻は意外に早く読み終わることができた。個人的には上下巻合わせて、事件に関連しない部分がちょっとだけ多く感じたので、もう少しコンパクトに纏めてくれたらなとも。けれどロビンやストライクの掛け合いは楽しくもあり、次の事件も手に取ってみたい。それぞれの心情もしっかりと描かれていて、どこかやるせない結末は読了後に表紙を見るとしっくりと馴染む雰囲気でした。
2017/09/17
Rosemary*
古典的な本格ミステリー。面白かったー。犯人はなんとそうでしたか!張り巡らせた伏線の回収もお見事でした。コーモランの有能な仕事ぶりと私生活のギャップが物語に幅をもたせていました。そして優秀な助手ロビンとの相性もバッチリ。次回作も楽しみです。
2015/03/25
Panzer Leader
相変わらず地道な捜査が続く中、段々と真相に近づくにつれ盛り上がる緊迫感が堪らない。決して派手でないが爽快感漂うラストと相まってとても楽しめた本格的探偵小説だった。主役の二人はライム・サックス組に勝るとも劣らないよき相棒、特に憧れの職業に就いた好奇心旺盛で有能な秘書のロビンは下手したらコーモランを喰うほどの存在感で魅力的に描かれていた。次作も楽しみ。
2016/04/12
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