夜は終わらない
夜は終わらない / 感想・レビュー
どんぐり
『俺俺』に次いで、2作目読了。『俺俺』は俺俺俺俺俺で埋もれて己の存在が消えていくような物語だったが、本作は夜の間だけ語る“物語”の中に、読者を放り投げるカオスに満ちたものだった。物語の中に物語があり、みな面白くもない物語である。「人面瘡」はまだいい、「カワイルカ」「聞いたら二度と戻れない物語」「日常演劇」「ジン」「ジンナ」「ミロンガを探して」「アルフォンシーナと海」「フュージョン」など、書き損じた短編をいくつか並べたみたい。ぐーっと引き寄せる面白い物語が欲しい。500余頁を読む時間が徒労に終わる。
2015/02/15
ミーコ
結婚詐偽連続殺人の話かと思いきや・・・ 不思議な話ではあったが、魅力を感じなかった。 読んでるのが しんどくなった。ジンの話は面白かったけど ほかは好きになれず・・・ 結末が気になり何とか最後まで読んだが 私には合わなかった。もやもやした気分だけ残った。
2015/06/13
nina
それは夜だけの物語の時間。語り部が語り部を呼び、物語のなかのあなたがわたしの物語を語る。あなたによって語られる物語のなかのわたしは空を飛び、イルカに抱かれながら水の中を突き進む。愛は破れ、自由を禁じられても、その苦しみを乗り越える術を知っている。一方でアンドロイドの世界で死という快楽を提供することで、世界に復讐することもできる。快楽も苦痛も、喜びも悲しみも、最後に想像主によって終焉を告げられた物語の中ではすべてがかき消えるが、やがてそれは次の新たな物語へと引き継がれる。あなたとわたしの、ふたりの物語へと。
2015/01/06
昭和っ子
途中で話の訳が分からなくなってくるんだけど、読むのがやめられない。変なの。孤高の殺人者が失望を繰り返しながら殺人を重ねる話かと思いきや、すぐ二人目でほぼ理想の語り手が出てくる。最初に語られた「カワイルカ」の話にはすごく惹きつけられた。そのままずーっとお話の迷宮に連れて行かれるんだけど、時々ツボにはまるエピソードや表現が出て来て後を引く。不思議さもエロティシズムもちょうどよい塩梅。せっかく理想の語り手を見つけたのに、彼女はすでに追われる身。ストーリーが終わっても、お話はずーっと続いて行く様で…。後引くわー。
2015/05/31
そうたそ
★☆☆☆☆ 男を誘惑し財産を巻き上げた結果、証拠を残さず男を死へ追いやるという日常をおくる女。彼女は、男の死の前に自分が夢中になれるような話を男に語らせる。その話の内容によって男の命の長さが決まる。星野智幸流千夜一夜物語とでも言うべき物語。イメージとしては、ミステリの中にメルヘンの要素がある気がして面白そうだったのだが、正直自分にはよくわからない世界観だったというのが正直な感想。大体、冒頭に一人男が死んで以降、後はずっと同じ男が話しているだけ。語られる話もファンタジックの要素が強すぎてついていけなかった。
2014/07/19
感想・レビューをもっと見る