まるまるの毬
まるまるの毬 / 感想・レビュー
ナイスネイチャ
図書館本。「南星屋」という全国の銘菓を食べ歩き、安い値段で再現して下町で菓子屋を営む治兵衛と娘お永、孫娘お君という3人の人情味溢れるお話。ほっこり市井話なんでシリーズ化出来そうな作品ですね。面白かったです。
2015/09/11
文庫フリーク@灯れ松明の火
時は十二代将軍・家慶の頃、江戸は麹町にささやかな店を構える菓子店・南星屋。還暦過ぎた主人の治兵衛、生まれは五百石の旗本・岡本家の次男。十歳で武家の身分を捨て、菓子職人の弟子となり修行十二年。さらに腕を磨くため東は陸奥、西は薩摩まで諸国を巡り十六年。八歳の娘を残し、旅の空に逝った妻の夢は治兵衛の作る諸国の菓子を、お客さんが喜んで食べてくれる小さな店を持つこと。その遺志を叶えるため開いた南星屋は、子供でも買いやすい値に抑え、味は飛びっきり。治兵衛と娘のお永、十六の孫・お君の三人家族で営む店は、作れる菓子の→
2014/10/08
紫 綺
武士から和菓子職人に転身した治兵衛。諸国を行脚し、再現した数々の銘菓で大繁盛の南星屋を舞台に繰り広げられる人情時代話。治兵衛の出生の秘密が、いいアクセントになっている。
2014/09/20
あすなろ
南星屋の世界に浸りました。これは読み進める程、西條氏の筆ものっていることが分かる作品。物語の趣向も凝らしてある。お菓子は、お下賜からきたのか?地元の松風というお菓子は、裏が何もなく松林に吹く風の如く虚しいことが名の語源とか勉強になる。登場人物も良い。和菓子のアンや澪つくしシリーズ好きな方は、満足するだろう。途中、武家と商人町人の境が低すぎ、不思議に思っていたが、これはやはり修正された。縁に辿り着けなかったのは可哀想だったが。お澪坊に逢えない今、シリーズ化を望みたい。お勧め頂いた紫崎さん、ありがとうございま
2014/10/16
おしゃべりメガネ
直木賞作品を読んで、すっかりハマった西條さん作品。次はこちらと手にとりましたが、期待を裏切らないステキな作品でした。お菓子屋を切り盛りする還暦の職人と出戻りの娘、そして孫の三人のほっこり人情物語です。なんとなく、この世界観、どこかでと思っていたら、高田さんの『みをつくし』シリーズのお菓子版的に感じました。出てくる登場人物、どのキャラも魅力的で、作中に出てくるお菓子にお腹は鳴りっぱなしです。ほんわかと泣ける話もあり、ほっこりココロが穏やかに癒される西條さん作品を更に追いかけていきたいと思います。さて次作へ。
2022/04/03
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