誉れの赤
誉れの赤 / 感想・レビュー
BlueBerry
戦国最強の部隊の赤備えの一員である勘五郎が、武田が滅び徳川が覇者となって行く長い期間を駆け抜けて行ったというようなストーリー。程ほどには楽しくて飽きることなく読み進められるのだけれど、胸弾むとか。('-'。)(。'-')。ワクワクするような事が無かったのが残念でした。ラストも「まあ、そんなものかな」と言う感じ。序盤○中盤○ラスト○総合○
2014/12/03
baba
読メ紹介の初作家さん。先日読んだ「修羅走る関ケ原」の先鋒福島正則を抜け駆けした井伊赤備えがこの著書で武田赤備えからと知り興味深く読んだ。武田敗戦後赤備えの意義を見い出し残る者と、統率者に異議を見い出し去る者、石川数正の苦慮、井伊直政の家康に対する愚直な想い、それぞれの魅力ある武者に引き付けられどんどん物語に入っていく。関ケ原の戦いはそうなるかなという展開でちょっと切ないが、最後家康が赤備えの武者を追想する所に深みがあった。新しい作家さんとの出会い、別の作品の興味がわく。
2014/10/10
なつきネコ@中の人だよ!
戦場を往来し続けた一介の赤備え。まったく胸が熱くなる設定を持ってきた物だ。勘五郎の赤備えと強さのテーマはいい。赤備えは無言で攻め、華美に走らない赤い鎧はカッコよさは憧れる。大阪の陣で家康が赤備えの古兵とのエピソードは好きで、家康や戦国武士を物語れている。一兵卒から尊敬された山縣に比べられる直政。たしかに直政を主君にはしたくない。ドロップした藤太の気持ちはわかる。それでも直政にしがみつく勘五郎。激情だけではない有能な直政は若いだけあっていろいろな物に振り回されて大変。赤備えの美しさを確信した一冊でした。
2017/09/27
ren5000
武田の最強軍団赤備えから下り徳川井伊隊の赤備えを支えたふたりの若者を通して赤備えの持つ矜持や誇りを描いた作品。主人公の勘五郎のキャラがやや弱い分、実在の井伊直政が強烈な人物として際立っていました。これは作者の意図したものだろうか?吉川さんの時代ものは外れがないし、いま一番好きな時代小説作家です。
2014/08/29
maito/まいと
これは名作!吉川作品の最高傑作ではなかろうか。武田→徳川へ受け継がれる最強騎馬軍団「赤備え」へのあこがれを胸に生きてきた二人が、長篠合戦を機に徳川へ。降伏軍の屈辱、度重なる配属替え、揺れる誇り、そして隔たる二人の想い。史実に忠実な展開(高天神城攻防戦、大須賀康高をこんなに取り上げた作品も珍しい)、“暴君”井伊直政とのやりとりも(これまでの吉川作品の中で)泥臭くまっすぐで心に響く。合戦の臨場感もページめくりがとまらない興奮、感動のラスト(以前行った彦根城博物館の甲冑を思い出した)文句なしのオススメ作品です。
2014/09/09
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