猫弁全集
猫弁全集 / 感想・レビュー
ユメ
二段組797頁を、大勢の登場人物と登場動物たちと共に一気に駆け抜けた。人間が育つのに「正しい」環境なんてないんじゃないかな。そんなことを思った。歪な育ち方をしたとしても、生きていれば、帰る場所を見つけられる。人を幸せにし、幸せにされることがきっとできる。正義と自由の色に塗られたドアを見つめていたら、そう信じたくなった。読みながら、何度も上を向いた。頭に新しい空気を送りこんで、パズルのピースを組み合わせてゆくために。そして、涙がこぼれないように。その回数がおそらく百瀬より多かったのは、ここだけの話だ。
2015/06/02
anne@灯れ松明の火
(購入・再読)大山さんの新作を読み、大好きな猫弁をもう一度読みたくなった。シリーズ5巻が1冊になった、分厚くて重たい本。上下2段にぎっしり詰まった文字。でも、スルスルと頭に入ってくる。百瀬たちの動きが目に見えるようで、どんどん展開する話に、ページをめくる手を止められない(実際、ドラマの俳優さんが浮かぶ)笑ったり泣いたりしているうちに、無関係に思えた様々なピースが最後にはビタリとはまる。見事だ! 読み終わってすぐ、また読みたくなる。私にとって、大切な1冊。できれば、続編やスピンオフを書いてもらいたい!
2019/06/15
onasu
猫弁全5編を収録てねえ、未読の4編目からのはずが、うっかり初編からてんで、連日の夜更かしに。 猫専の法律事務所と言うより、猫専の探偵か、て持ち込まれる案件と、亜子との長〜い婚約関係。この双方が相まって読み手を放さない。 猫弁の並外れた頭脳は、猫絡みの謎解きには有能に働くのに、亜子とのこととなると…。一方の亜子も同様で、でも自らに置き換えてもそんなもの。 なもんで、ハラハラするのは専ら二人の行方だけど、最後は締めに相応しい事件で幕を引いてくれる。シリーズものを、まとめて読めるのは楽しい、けど本重っ!
2014/10/10
tera。
五作品が一冊になっているので、辞書みたいに分厚くて重い。当然持ち歩きには向かないけれど、登場人物が他の作品とリンクしているので読み返す際には便利。本好きの上司からの頂き物なのだけど、くださった理由が「文字が小さくて読み難い」・・なる程ね、文庫版よりも文字が小さい。カスヤナガトさんの表紙が好きなので、この表紙が寂しい気がする。『著者あとがき』が読めたことが嬉しいおまけ。
2014/09/21
ゆのん
再読。猫弁全集。文庫本5冊分が上下段書きでまとまった。装丁は六法全書をモチーフにしているとの事。文庫本も読んでいたがどうしても欲しくて予約して購入。主人公の百瀬太郎が大好きで797頁もあっというまに楽しく読める。最後の話は泣ける話。(文庫だと「猫弁と魔女裁判」)もっともっと続きを読みたい作品だ。また内容を忘れた頃に再読したい。個人的に「大好きな主人公」の5本の指に百瀬太郎はランクインしている。
2017/10/24
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