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闇に香る嘘

闇に香る嘘

闇に香る嘘

作家
下村敦史
出版社
講談社
発売日
2014-08-06
ISBN
9784062190947
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闇に香る嘘 / 感想・レビュー

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遥かなる想い

第60回江戸川乱歩賞、2015年このミス国内第3位。 27年間兄と信じていた男は 一体誰なのか?全盲の和久が 誘導するストーリーは 全編に霞みがかかったようだが…中国残留孤児だった兄、 腎臓移植の適合検査を 頑なに拒否する理由は 何なのか? 満州における残留孤児の 哀しみを起点に展開される 兄の過去を辿る旅は重く、 心に染みる。旅の終わりは まさに盲点をついた真実が 明らかになる…日中の 歴史に想いを馳せる…そんな終わり方だった。

2015/02/15

takaC

先例がありそうでなさそうな仕掛けだった。そしてなかなか巧い。しかし身勝手な意見だけど『闇に香る嘘』というタイトルは読者の記憶に定着しにくくないか?そもそも意味も不明。江戸川乱歩賞応募&授賞時の『無縁の常闇に嘘は香る』も同じくらい意味不明だから全然改良されていない気がするが・・・

2015/09/23

青乃108号

全盲の主人公の【視】点で語られる複雑な物語。中国残留孤児問題の核心を突く記述が多く、その点に於てこれは優れた作品なのだろう。しかし俺はその事よりも、全編を視覚障害者の【視】点で、完璧に描き切った作者の筆力の方に感動したのだった。ちょっと移動するにも階段を上がるにも、動作ひとつの描写にいちいち相当な分量の文章が必要とされ、それ故自然と読者も視覚障害者の生きている世界を、大変に生きづらい世界を体感させられる。これは正直、恐ろしい読書体験だった。読み終えて、これほど視覚が健常である事を幸せに思えた事はない。

2022/12/09

文庫フリーク@灯れ松明の火

主人公が41歳で失明した69歳の老人となれば、派手なドンパチやアクションは期待すべくもない。しかし地味でありながら、練りに練った職人の匠を感じる。9年で5度最終候補に残った末の江戸川乱歩賞受賞。それこそ続く落選の闇の中、白杖で模索の日々だったことでしょう。祖国に4度棄てられた中国残留日本人孤児に関して、新たな目を開かされた感。何より中途失明者の心情描写に感じ入る。介護職にある者として、交互にアイマスク着用しての歩行介助や、クロックポジション使った食事介助は研修で経験しているが、白杖の使い方や日常生活→

2015/02/12

ダイ@2019.11.2~一時休止

デビュー作。主人公にあまり感情移入はできませんでしたが、最後にきちんと伏線を回収しており面白かった。

2016/03/01

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