切り捨てSONY リストラ部屋は何を奪ったか
切り捨てSONY リストラ部屋は何を奪ったか / 感想・レビュー
遥かなる想い
かつて「世界のソニー」と謳われたソニーの リストラの物語である。 会社に期待されず、やることのない人々が 集う「キャリア開発室」の面々 …世界のソニーの変貌を 実名の登場者たちが語る。本書の見開きのページ:ソニーのリストラ年表が衝撃的だが…ソニーを辞めた人々の 心意気が逆に 頼もしい。家電業界を中心とした リストラに慣れた日本人が もう一度 置かれた状況を確かめるには 最適の本だった。
2018/10/20
おいしゃん
巨人軍球団代表だった著者による、SONYのリストラを追ったノンフィクション。「山一証券しんがり」に続き、この本も良い。社員を大切にする温かな会社が、リストラ至上主義に走ってゆくさまはゾッとしたが、会社を去った社員たちが皆、希望の灯を絶やしていないところが救われた。もちろん、路頭に迷い絶望した社員が圧倒的多数なのだろうが…。
2015/12/29
ずっきん
ストリンガー氏在任の頃の刊行なので、ニュートラルではないし、情報的には古い。リストラの嵐の頃の退職者個々への取材が中心で、そこが非常に興味深く、パラリとしたら一気読みしてしまった。
2020/10/02
kinkin
SONYに限らず、日本の大企業の多くでこの本に出てくるようなことが起きているのではないか。構造改革、キャリア支援、ネクストステージなど一見きれいな言葉で包まれているが実は単なるリストラであること。そのリストラという言葉ももっと掘り下げれば、会社にとって必要のない社員を辞めさせるということだ 。今問題になっている長時間勤務やサービス残業は昔からあったことは私自身経験している。ただその頃は若いこと、そしてなにより会社と社員の間で信頼感のようなものがあったことは確かだったと思う。
2015/10/07
飯田健雄
2時間ほどで読めた。結局、ソニーもイノベーションのジレンマや過去の成功体験によって衰退したことが理解できる。出井氏やストリンガー氏は、斬新な組織改編、グローバル化で乗り切ろうとしたけれど、アジア新興勢力(マーケティング・価格破壊)とシリコンバレーのディスラプティブ・イノベーションの波に、20年かけて、いきいきした組織構造から腐食が進む組織へと退化しまったわけだ。この流れで、リストラに直面し、葛藤し、必死にもがくソニーマン(女性も含むが)の生きざまを描いた著作である。
2017/08/19
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