総司の夢
総司の夢 / 感想・レビュー
starbro
王様のブランチのブック・ランキングに登場したので興味をもって読みました。小松エメル、初読です。著者の沖田総司愛が感じられる爽やかな作品でした。沖田総司は、幕末の掃き溜めの鶴のような存在だったのでしょうか?史実に忠実な淡々とした物語世界だったので、多少サプライズや創作が必要だった気もしますが・・・
2016/11/08
みっちゃん
仲間と語らい、笑い、涙する。そして何の躊躇いもなく人を斬る。誰よりも優しいのに。まるでうすぼんやりとした夢を見ているような淡々とした筆致。夢から覚めたら、寂しいような、哀しいような、ちょっと泣きたいようなそんな気持ちだった。
2016/12/01
hiro
小松エメルさんの本は、この本と同じ新選組の脇役6人を描いた短編集『夢の燈影』に続き2作品目。短編のため物足りなさも少し感じたと『夢の燈影』の感想では書いた。しかし、この長編作品は、近藤、土方、芹沢、山南などの実在の人物だけでなく、亥之助、志乃の架空の人物を交えて、エメルさんの沖田総司像を描いているが、『燃えよ剣』を読んでいるためか、逆に読み終えるのに時間がかかってしまった。この二作品とも題名に“夢”が付くが、新選組に参加した人たちの描いた“夢”とは何だったのか。さらにエメルさんに解き明かしてほしいと思う。
2016/11/14
八百
史実としてしっかりと記録が残っている新選組、更に隊士のキャラ付けも司馬先生が既に確固たるものにしてしまっているためこれを新たな物語として行くためには愛があれば大丈夫!だけでは行き詰まり感は否めない。今回も架空の人物を織り込み剣術にしか興味のない変わり者沖田を恋も悩みもあるひとりの人間として描く工夫はされているがその背景は新選組の歴史の走り書きであり土方の物語となんら代わり映えしないようにも見える。ならばいっそのことマニア限定で大胆にエメル版新選組を作り上げてしまって良いのではないだろうか。期待してますよ
2019/07/05
キキ
前も他者の作品のレビューにも書いたけれど、新撰組小説は基本的にハズレがない。土方、沖田目線となると尚更ハズレない。これも独創性は特にないけれど、何故か引き付けられる新撰組。潔く散る感じが好きなのかな?土方との別れの場面は他作品でも大体同じように描かれるが、いつも胸が詰まる。沖田は最後まで戦いたかっただろうと思うと切ない。
2016/11/20
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