我が名は秀秋
我が名は秀秋 / 感想・レビュー
ナイスネイチャ
図書館本。読む前は優柔不断で家康に踊らされたイメージ。元義父の秀吉に対してこんな恨み辛みがあるとは。朝鮮の役や関ヶ原の采配も秀秋目線だとこうなるのか~と感心させられました。かなり面白かったです。
2015/11/18
とん大西
あの小早川秀秋にこんな光のあて方が!みくびってました。とても面白かったです。併読中の『歴史時代小説縦横無尽読み比べガイド』で興味深く紹介されていたので期待半分、冷やかし半分で読んでみると予想を裏切る面白さ。従来の秀秋像を覆すアプローチが新鮮でした。秀吉の親族で無気力お坊っちゃんだった秀秋が戦国の武人として覚醒していく。導いたのは養父小早川隆景。僅かな父子の契りが秀秋に武人の矜持を与え、やがて決戦の舞台・関ヶ原に彼をいざなう。策謀を巡らす家康と対峙する場面が激アツ!秀秋のなかなかの男っぷりにシビれます。
2018/05/10
あも
織田信長のような毀誉褒貶著しい人物より、小早川秀秋のような負のイメージが確立した人物のイメージを覆さんとする話こそロマンがある。もちろん史実に反するようなドリーム小説に堕してはダメだけれど。序盤、豊臣秀吉の養子になり、さらに毛利元就の息子・小早川隆景の養子になり…とする中、後の関ヶ原での裏切りに通じる豊臣政権から心が離れる様や、義父隆景との絆はとても丁寧に描かれている。けど、やっぱり関ヶ原直後に死んでる人物だけあって持ち上げるには尺が足りなかった印象。それよりコーエーのゲームの顔グラが某ジャニーズに激似。
2019/11/13
キキ
小早川秀秋の弱々しく、優柔不断というイメージが、色々な資料によって、最近やっと払拭され始めているのはとてもいい事(^^)歴史は勝者が語り継ぐもの。まだまだ間違って伝えられている事がたくさんあるハズ。これは秀秋が男らしく、家康さえも恐れる人物に成長するまでの物語。本当にこんなに天賦の才があったかは不明だけれど「我が名は秀秋!!」叫んだ瞬間からは一気読み。
2016/01/08
Haru
さいごの一文「歴史とは生き残った者が紡ぐ過去である」が、この物語のすべてを表している。愚鈍だったと言われる小早川秀秋を、天賦の才に恵まれるも「これから」というところで非業の死を遂げる若者として描く。小早川隆景に出逢い初めて父親の存在を感じ、己の本当の姿を見つけ出す。僅か三年の縁でもそれは秀秋の一生を方向づけ、関ヶ原へと繋がる。秀次、隆景、毛利秀包との気持ちの良い繋がりとは対極の、秀吉、家康との濁りのある相対し方が面白い。ただ真っ直ぐに突き進んでしまったが故の最後に、いま少しの老獪さがあれば、と悔やまれる。
2016/02/11
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