優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物
優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物 / 感想・レビュー
Ikutan
あのアンパンマンの作者であるやなせたかし氏のもう一つの顔が、30年間『詩とメルヘン』の編集長をされたこと。この雑誌と共に歩み、作家となられた作者が、やなせさんの詩と共にその日々を振り返ったエッセイ。やなせさんの人柄は、今までにも知る機会があったが、今回も、至る所にその懐の深さが表れていて感銘を受けました。そして、平易な言葉で綴られたやなせさんの詩は、どれも心にすっと入ってきて、じんわり響く。選び抜かれた言葉は、時にユーモアもあり、優しくて、温かい。恩師として慕う作者の熱い思いも伝わってきます。オススメ。
2015/11/12
ぶんこ
著者の本をたくさん読んでいて、毎回「あとがき」「解説」は必ず読んでいるのに、著者とやなせさんが親しいとは知りませんでした。小手鞠さんのやなせさんへの気持ちが溢れていて、私までやなせさんに興味津々となりました。「やさしいライオン」も読みたいし、アンパンマンの飢えた人へのあったかい気持ちに感動し、やなせさんの作品を残らず読みたい気持ちでいっぱいになりました。小手鞠さんのやなせ愛が乗り移ってしまったのかな。小手鞠さんの恋愛体質にも少し驚きました。面白かったです。
2018/11/02
anne@灯れ松明の火
返却棚で。新着棚でも気になっていたが、積読が多過ぎて諦めた。しばらくして、再会できたので、今度こそと借りてきた。やなせさん自身の伝記的な作品は何冊か読んだので、引用されている言葉は記憶にあるものも多かった。でも、やなせさんの洞察力や温かさ、人一倍の努力など、改めて知ることができて、良かった。そして、やなせさんの人生と同時に、小手鞠さんの半生も知り、彼女の作品にも興味が湧いてきた。
2016/01/25
紅香@本購入まであと9冊
東日本大震災を意識していたわけでもなく、この殺伐とした世界に少し疲れ、やなせさんのパワーに触れたかった…それだけだったのに。私の無意識は確信していたかのよう。あの時、ラジオから流れた曲は『アンパンマンマーチ』だった。。『死んでも人をよろこばせたい』『絶対に揺るがない正義とは弱者を助けること』当時、現役を引退しようとしていたやなせさんの息を吹き返えしたものは小さな子供たちの歌声でした。小手鞠るいさんとやなせさんにこんなにも濃い交流があったこと、人となり、数々の詩を知ることができました。永遠のヒーローです。
2021/03/13
fwhd8325
。3.11の時、上杉隆さんが子供たちのためにラジオで流したアンパンマンのテーマソングは、一瞬で、その雰囲気を変えてしまう力を見せつけた。これは、やなせさんに見いだされた詩人川滝かおりさんこと小手鞠るいさんの壮大なラブレターである。その思いは優しく、強い。まるでやなせさんが作り上げてきた世界そのもののように感じる。こうして、私は簡単に優しいなんて表現を使ってしまったが、その言葉の本質を少しだけわかったような気になったからなのかもしれない。
2015/12/01
感想・レビューをもっと見る