[現代版]絵本 御伽草子 はまぐりの草紙 (絵本御伽草子 現代版)
[現代版]絵本 御伽草子 はまぐりの草紙 (絵本御伽草子 現代版) / 感想・レビュー
KAZOO
この表紙だけ見ていると何か色っぽさを感じてしまいます。室町時代をインドのある国の話に置き換えて橋本さんが大人向けのおとぎ話に変えてくれました。非常にユーモアというかおかしみが出ていて楽しいのですが、今回も読んで感じたのですがもう少し字を大きくしてもらえればと思いました。
2016/02/21
みかん🍊
原作は知らないが面白かった、昔話では親孝行な息子ですが、現代的に見るとマザコン息子とぐうたら母親そしてはまぐりから現れた美女は上から目線の我儘嫁、本来は親孝行な人間には観音様からのご褒美があるという教えなのに、母親 と我儘な妻に振り回され、せっかくのご褒美金貨三千貫も七徳宝寿のお酒を飲んで7千年の寿命と服が無くても寒さを感じない体を手に入れた身にはあまりありがたみが無いような。
2016/03/21
starbro
橋本治の小説、エッセイは結構読んでいますが、絵本は初めてです。また講談社の「現代版 絵本 御伽草子シリーズ」は初読です。「はまぐり」+「裸の美女」なのでもっとエロティックな内容かと思いきや、意外とオーソドックスなお伽噺でした。原典の「はまぐり草紙」も未読なので新鮮でしたが、話の中身が極端な気がします。挿絵も魅力的なのですが、文章と絵のバランスを見直し、頁数を増やすともっと良い絵本になると思います。
2016/01/10
アキ
室町時代から江戸時代に成立した短編物語である御伽草子を橋本治が現代語訳し、樋上公美子の絵で美しい絵本にしている。内容は60歳の母親の世話をする親孝行の40歳の独身男シジラに海で釣れた蛤の中から17,8位の天女が現れ、妻となり、法華経の教典を織り、7千年の寿命と3千貫の金貨をシジラに与え、女は空の彼方へ消えていく。親孝行を勧めるために書かれた物語。とっても官能的ないいお話し。これを読んでどう感じたのか江戸時代の人にインタビューしてみたい。最後に岩波書店「御伽草子」の原文訳が載っている。
2020/02/08
たーぼー
日本昔話には不条理と理不尽さが常に付き纏うが、そこに現代版ならではのメタなツッコミを交えるのが、本書のユニークなところ。主人公シジラが、はまぐり女から欲したものは童貞喪失と結婚だったはず。しかし得たものは人間の無限の欲求、即ち大金と不老長寿。シジラは貧しくとも平凡な暮らしの中で死ぬべきだった。現在においても世界経済を動かすシジラであるが、その精神が自らの童貞と独身を否定した地点に於いて、彼は息を引き取ったも同然なのだ、と生真面目に考える物語かどうかすら怪しいが。
2017/05/19
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