殊能将之 未発表短篇集
殊能将之 未発表短篇集 / 感想・レビュー
itoko♪
発売されすぐに購入したものの、一篇ずつ大切に読む。没後に発見されたという、三篇の作品と、『ハサミ男の秘密の日記』が収録されています。『ハサミ男』を初めて読んだのは十数年前。衝撃を受けたし、すぐに読み返したこともよく覚えている。解説で「計算され過ぎている。」とあり、納得。でも他の作品は読んだことがなかったので、読めて嬉しい。『犬がこわい』は、犬嫌いの人には恐ろしく、犬好きさんには感動作だと思われます。
2016/04/06
山田太郎
XTC好きな作家でセンス悪いもの書くわけないので、好きな作家だったんですが。性格悪いのも当然といえば当然なんで、もうすこしなんか書いてほしかったよなと。解説がまた面白いです。
2016/04/11
さっちゃん
殊能さんが活躍されていた頃は絶賛子育て真っ最中で読書どころではなく、そのお名前を知ったのは鬼籍に入られてから。私と同郷だったんですね。いくつか積んであるのでいずれじっくり追います。/短編はデビュー前の習作とはいえ完成度は高く、とても面白い。ただ、読んでいて読点がけっこう頻繁に打たれることが気になった。クセなのか、喫煙者だからなのか? デビュー時の裏話をまとめた「ハサミ男の日記」ではちょっと印税を気にしたりして微笑ましい。熱量高めの解説も読み応えがあり殊能さん初心者からベテランまで楽しめる一冊。
2022/09/14
きさらぎ
あれから3年、寡作だった殊能さんの未発表の作品が見つかり、それを読めることが嬉しかった。デビュー前の習作ということだがどれも素晴らしく、特に「犬がこわい」は完成度が高かった。他の作品も独特の感性があり光るものを感じる。「ハサミ男の秘密の日記」と大森望氏の解説で、覆面作家・殊能さんの姿を少し知ることができるが、それでもまだまだ謎の多い人物。「ハサミ男」は本当に衝撃的だった。まだまだ殊能作品を読みたかったなぁ。そういう意味で、嬉しいけど一篇読むごとに、もの悲しく寂しい気持ちになる作品集だった。
2016/04/11
そうたそ
★★★☆☆ 寡作だが傑作の多い殊能さんの未発表作品を収録した短編集。ここに収められている作品は、著者が「ハサミ男」でデビューする前に書かれたもので、習作的な作品。ミステリというほどの内容でもないのだが、著者の個性が出ている作品で、未発表作品として読む価値が十分にあるものだと思える。これでもう新たに殊能さんの作品を読めることはないのか、と思うと寂しい限り。まだかまだかと新作を待ち続けているうちに亡くなってしまったからなあ。巻末の大森望さんによる"力作"解説にもまたジーンとくる。ファンなら読むべし。
2016/04/09
感想・レビューをもっと見る