我々の恋愛
我々の恋愛 / 感想・レビュー
そうたそ
★★☆☆☆ 2001年に山梨で開かれた「二十世紀の恋愛を振り返る十五ヶ国K会議」。そこで20世紀最高の恋愛に選ばれたのは、日本のありふれた二人による不器用かつ奇妙な恋であった。若い二人の恋と、会議に出席したトルコ人の老恋愛詩人の半世紀越しの恋を描く長編。パッとあらすじを見て面白そうだなあと思ったのだが、確かにレポート形式で恋の進展が淡々と描く内容は退屈そうにも思えるが、案外飽きることなく読める。しかしほぼ500ページという厚さは流石に長いなあ。この半分でも良かったかもしれない。
2016/04/27
Tui
若いふたりの、固定電話から始まるぎこちない恋。老齢のふたりの、メールという当時の最新ツールを手にした、うつくしいやりとり。携帯電話がなかったころ。固定電話に子機が普及し始めたが、かけてきた相手の番号表示がまだされなかったころ。そんな、今となっては考えられないけど意外と最近の日本が舞台の、まっすぐな、でも少しおかしな変愛物語。ある時代の追憶。読む世代によって、あるある感が異なることでしょう。私はどハマりでした。
2016/09/04
Shinobi Nao
長かった~。『二十世紀の恋愛を振り返る十五カ国会議』で「20世紀最高の恋愛」として選ばれた日本人カップルの話の続きを早く知りたいのに、合間合間で、周囲で起こっている奇妙な話が次々と邪魔をする。それがまた面白いのだが、脱線が過ぎるところもあり後半はかなり雑に読み飛ばした箇所も。メインの話は、間違い電話がきっかけで始まった恋。電話嫌いのわたしにはちょっと考えられないことだけど、ゆっくりゆっくり進展していく彼らの恋を見守った。そう、もう彼らだけの恋ではなく「我々の恋愛」になっていたのだ。
2016/10/25
スイ
面白かった。「二十世紀の恋愛を振り返る会議」というのがもういいじゃないか…。そこで二十世紀最高の恋愛に選ばれた、ある日本人カップルの話が、選定委員のレポートの形で紡がれる。そのレポート内外で絡んで来る、周囲の人間達や選定委員の思いまで丁寧に描かれていて一気に読んだ。私には少々ついていけなかったところもあるものの、そこもいとうせいこうの良さなんだろう。「想像ラジオ」に続く祈りの作品でもあった。
2016/07/20
ophiuchi
「君の名は」(昭和の方)を思わせるラブストーリーで、大いに焦らされるが、そこが面白かった。大きな出来事が起きる直前の1994~1995年、2001年の雰囲気も切なさを演出している。
2017/05/04
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